11月1日付でJR鎌倉駅の駅長に就任した 吉倉 正司さん 横浜市在住 58歳
「経験生かし地域盛り上げたい」
○…「鎌倉の玄関口」JR鎌倉駅の駅長に11月1日付で就任した。コロナ禍により一時は前年の4分の1にまで落ち込んでいた利用者も10月は約8割にまで回復。「少しずつ人出が戻ってきていてホッとしました」と笑顔を見せつつも「まずはお客様の安全・安心が第一。感染症対策にもしっかり取り組みたい」。
○…出身は新潟県。当時の国鉄に入社したのは「親戚に職員がいたからなんとなく」。思い描いていた「安定した職場」は数年後、分割民営化の荒波にさらされる。「求められたのは『自ら稼ぐ』こと。考えられることは何でもやりました」。朝の通勤電車で車内販売を行ったり、当時働いていた東京駅で企画した構内コンサートには、合唱団の一員として自ら出演したことも。「厳しい環境だったけれど、やろうと思えば何でもできた。充実していましたよ」と振り返る。
○…その後は旅行部門で商品企画や旅館、ホテルとの折衝を担うなど、様々な業務を経験。「今でも付き合いのある取引先もいる。社外とのつながりが多い仕事を経験してきたことが自分の財産。このタイミングで来たのも何かの縁なので、鎌倉に行ってみたい、と思わせるような企画を地域の皆さんと力を合わせて考えていけたら」
○…結婚を機に妻の実家のある横浜市に居を構えた。子どもは一男一女。関内駅の助役を務めていた頃、ベイスターズの応援のために何万人もの人々が訪れることに圧倒され「自然と試合結果が気になるようになった」という。今年からメジャーに挑戦中の筒香選手の動向もチェックするなど、今ではすっかり同チームのファンだ。最近は体力づくりを兼ねたハイキングも楽しむ。「落ち着いたら寺社仏閣など鎌倉散策をしてみたい」