新たなメディア鎌倉から発信
○…「ご近所さん」同士がネットでつながり、互いに必要な情報を共有する―。こんな仕組みを目指す地域メディア「サンライズ鎌倉」を立ち上げた。現在はフェイスブックによる情報発信のほか、子育て世代を対象としたイベントを多数企画。今月27日にもベテラン助産師を招いた相談会をオンライン開催する。「鎌倉の人にとっての『情報のプラットフォーム』になれたら」
○…2001年に朝日新聞社に入社し、広告局を経て08年から2年間、神戸で記者として地域を駆け回った。痛感したのはメディアと情報の変化。「火事と聞いて現場に駆けつけても消火された後。でもネットにはその場にいた人が撮った写真が上がっている、ということがよくあった」
○…そんなある日、知人にアメリカ人ジャーナリストのジェフ・ジャービス氏の著書を薦められ衝撃を受けた。18年1月には氏が教鞭をとるニューヨーク市立大学大学院に入学。半年間、世界中から集まったジャーナリストたちと意見を交わしながら、新たな地域メディア実現に向けた戦略を練った。帰国後、社内スタートアップ制度に合格。今年7月から新事業の専属となった。「先日、保育園の申請書類の書き方をテーマにした保護者の交流会を開催したところ、参加者同士が知っていることを教え合う姿があった。例えそれぞれの情報はわずかでも、それを持ち寄れば大きな知恵になる」と手ごたえを感じた様子。
○…2年から鎌倉に住み、一男一女の子育て真っ最中。「使わなくなったからと近所の人がベビーベッドを譲ってくれたこともある。人と人のつながりが強い鎌倉だからこそ、これまでにないメディアの形を作れるはず。それを全国へと発信していきたい」