走幅跳でインターハイに出場する 今井 亜由奈さん 手広在住 17歳
「心」を整える
○…6位までがインターハイへ駒を進める南関東予選(6月)。あと1回の試技を残し、暫定7位。自己ベストを記録した県予選(5月)から一転、思うように記録を伸ばせず「モヤモヤしていた」。最終試技に臨む直前の「ここで残らなきゃ終わりだぞ」という顧問の一言に気持ちを奮い立たせ、その日のベストとなる5m59の跳躍で6位に滑り込んだ。「高校に入ってインターハイを目標に3年間頑張ってきた。練習の成果が実ってよかった」
○…幼少期から活発な子だった。西鎌倉小時代はテニスに打ち込むも、手広中にはテニス部がなかった。そこで、小学校の運動会でリレーの選手に選出された自信から、陸上部で戦うことを決意。中学2年から始めた走幅跳では関東大会進出を果たすが、全国の舞台には届かなかった。
○…迎えた高校受験、第一志望の高校に行くことは叶わなかった。進学した桐蔭学園高で陸上部には入ったものの、「練習になかなか身が入らず、夜寝る時間も遅かった」と振り返る。そんな女子高生を変えてくれたのが、南関東予選で檄を飛ばした顧問・常磐信欽(しんすけ)教諭。競技に取り組む姿勢を根本から見直し、主戦場となる砂場の整備、助走路やその周辺の掃きそうじ、草むしりを練習前の習慣にした。「グラウンドの神様は細かいところまで見ている」。そう思いながら日常生活を過ごすことによってメンタル面が強化され、幅跳の記録も安定するようになった。
○…「友達とのおしゃべりが大好き」という17歳だが、今は目前に迫ったインターハイへ集中モード。目指すは入賞(8位以内)と、県高校記録の6m11超え。「絶対に結果を出せる」。初の全国舞台を前に、心は整った。