一般社団法人サステナブル推進協会「NAMIMATI」を発足する 齋藤 克希さん 稲村ガ崎在住 24歳
認め合う「ちがい」
○…20歳の時にニューヨークで見た光景が忘れられない。ブロードウェイを夢見る俳優たちが、ウエイターとして働くレストラン。注文を取りつつ、時に歌って踊る。働く姿は輝いていた。「就職を控え、仕事に対して希望を持てていなかったので」。食事に訪れたそのレストランで、将来への光が差し込んだ。そして、もうひとつ。周りを見渡せば、性別、人種、性的思考の異なる人々すべてが笑顔だったことが、「多様性」を考えるきっかけにもなった。
○…7月1日、持続可能な社会づくりへ友人4人で立ち上げた 任意団体「NAMIMATI(なみまち)」が、一般社団法人化、自身は代表理事に就く。2年前に始動した任意団体は、国内外に4支部、メンバーも高校生から20代半ばの「Z世代」を中心に200人に迫る勢い。今回の組織移行により、「社会的信用を上げ、ムーブメントを起こしたい」。ビーチクリーンなどのイベントの他に、SDGsに取り組む企業のコンサルティング、コロナ禍で落ち込んだ沖縄経済の回復に向けたコーヒー農園の運営などが柱となる。
○…2歳から稲村ガ崎で育ち、稲村ケ崎小、御成中では「クラスで話せない人はいなかった」と、誰とでも距離を縮めた。専門学生の頃の語学留学先ニューヨークでの体験を機に、心は社会問題へ。1年間の就職を経て、仲間とともに廃棄されるコーヒー豆の麻袋を使って「おしゃれにゴミ拾い」。これがSNS上で広まり、同世代が続々と輪に加わった。
○…「どんな社会にしたい?」。社会課題と向き合うZ世代のリーダーは考えを巡らし、「ボーダーフル。個性、違いを認め合い、受け入れる社会になれば素敵ですね」。20歳で見たレストランの光景に帰結する。