「緑化功労者農林水産大臣賞」を受賞した 小澤 牧子さん 大町在住 70歳
いつまでも山は楽園
○…鎌倉風致保存会の幹事として、市内緑地の維持管理に長年携わり、このほど緑化功労者農林水産大臣賞を受賞した。「風致保存会は良い人ばかりで仲間に恵まれた。みんなで活動を続けてきた成果です」と笑みを浮かべつつ、「これを機に活動を多くの人に知ってもらいたい」と語った。
○…大町在住。実家の裏手に山があり、祖母や母と草木の手入れをしながら育った。同会への参加は23年前。「仕事以外で楽しめる活動がしたい」と思っていた時、同会の募集を見つけて応募。生前の母も一緒に活動した。「風致保存会の人だから」という母の言葉通り、週2回の活動にほぼ毎回参加。その回数は800回に迫る。「ライフワークとして母に認められたかな」。受賞後は仏壇に手を合わせ、これまでの活動を報告した。
○…同会の女性で唯一、草の刈払機を操縦できる。「入会当初は定年退職後の男性が多く、私もおてんばだったのでよく仕事を振られました」と苦笑いも、今では男性顔負けの腕前を持つ。中学生ボランティアに笹刈りの指導も行い、後進育成に力を注ぐ。また、コロナ流行前は、山で採れた食材で炊き出しを行い、活動を終えたメンバーに振舞った。「山では、山菜やわらび、フキノトウなどいろいろな食材が採れます」。採れたてをすぐ調理することで味わいも普段と違ってくる。今では、たけのこご飯や天ぷらなど、自宅での料理を楽しむ。
○…小売店で働き、休日のほとんどは同会の活動。それでも「山へ行くと元気になるんです」と、緑が持つ不思議な力を感じている。「まるで楽園で遊ばせてもらっているようです」。好きなフィールドでの時間を大切にして、鎌倉の自然と景観を守り続けていく。