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鎌倉 人物風土記

公開日:2023.01.20

「オーガニック給食かまくら」の代表を務める
兵藤 沙羅さん
由比ガ浜在住 47歳

感性のままに

 ○…昨年11月、母親たちで「オーガニック給食かまくら」という団体を立ち上げた。その名の通り、農薬や化学肥料を用いない有機栽培の食材による給食の推進に加え、食を起点にした持続可能な循環型社会を見据える。第1弾として、1月28日には子どもの食を題材にした映画『いただきます』を鎌倉芸術館で上映する。「豊かな未来を願って熱いメッセージが込められた作品。小さなお子様連れでも大丈夫」と表情は柔らかい。

 ○…2021年に行われた鎌倉市長選に出馬した。 その際の公約にも、大型開発の見直しなどとともにオーガニック給食の推進を掲げていた。選挙には敗れたが、支援者からの「私たちがやろうとしていることは、ずっと続けていけばいい」という言葉が心に響いた。代表を務める新団体のメンバーは、選挙で応援してくれた人々が中心だ。食が変われば社会が変わる。合言葉の通り、「地球上で起きている多くの問題は食とつながっている。農業を有機に転換することで土中環境が改善し、地球環境と人間を健康に戻すことができるのではないか」。

 ○…千葉県出身、実家の洗濯は粉せっけんを使用。環境にやさしいとされる反面、洋服が黄ばみやすくもあった。小学校の体操服も、真っ白な友達に比べて少し黄色い。母に話すと、こう返ってきた。「服が黄色いか、川が汚れるかどっちがいい?」。迷わず、「服は黄色くてもいい」と答えたという。

 ○…20代の頃に実家が鎌倉へと移り、由比ガ浜で創業100年超の鈴木屋酒店へ嫁いだ。子ども2人を育てるママは、「私も子どもみたいな性格。考え過ぎたら動けなくなるから、思い立ったら動いちゃう」。その一歩が、明るい未来への小さな糸口だと信じて。

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