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鎌倉 人物風土記

公開日:2023.08.18

腰越漁業協同組合の組合長を務める
池田 威知朗さん
腰越在住 66歳

喜びは元気の源

 ○…腰越と稲村ガ崎に2店舗を構える池田丸で、釣り船と飲食店を営む。午前4時半に起床し、5時開店。6時に出航する日々を40年以上続けている。腰越漁業協同組合に加入したのは35年前で、今年度から40人のメンバーを束ねる組合長に就任。「意見が活発に出る組合なので、まとめるのに試行錯誤」と話しつつ、一人一人に寄り添いながら耳を傾けることを大切にする。

 ○…腰越生まれの腰越育ち。池田丸を創業した父の影響を受け、幼い頃から漁業が身近な存在だった。大学4年の冬には、アルバイトの名目でうなぎ漁に熱中するあまり、卒業単位がギリギリに。さらに、「最後の試験で寝坊してしまい、教授に頭を下げた。追試を受けて免れたよ」と、笑って懐古する。

 ○…「気象予報で把握できないしけがある」。15年前には、沖合4キロ地点で漁船のエンジンが止まるトラブルが発生。船上で修理を施し、時間を要しながらも何とか帰港した。海の怖さを身をもって体感しているからこそ、安全対策に余念がない。うれしい瞬間は、乗船客が釣果を喜ぶ姿を見た時。「お客さんに感謝されると、まるで神様になった気分だね」と笑みを浮かべる。

 ○…組合員のほとんどが個人事業主で、組合全体に潤いをもたらすことを目標に掲げる。「腰越から江ノ島まで移動する観光客の流れを増やしたい」と話し、組合の枠を超えた地域との連携も見据える。7月に4年ぶりに開催した腰越みなとまつりでは、定置網の乗船見学や稚魚の放流を企画し、多くの子どもたちが参加。海の魅力を知ってもらう機会も増やしていきたい。「体が動く限りは生涯現役」。組合員とともに助け合う気持ちを大切に、舵を取り続けていく。

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