中高生探究コンテスト2024で最優秀賞を獲得した 小畑 洲士さん 御成町在住 17歳
行動が生み出す未来
○…自らが開発したシステムを駆使して毒クラゲ・カツオノエボシの漂着を予測し、海水浴客らへ事前に発信する「クラゲアラート」。この研究が2月、中高生探究コンテスト2024の困りごと部門で最優秀賞を獲得した。本人曰く「日本では初のシステム」という自信作は、応募総数1857の中から選ばれ「公の場で評価されたのは初めてだったのでうれしい」と相好を崩す。
○…研究の始まりは鎌倉学園高1年生だった2022年7月。海開きした湘南の海岸では次々とカツオノエボシが漂着し、刺されて搬送される被害も。近所での出来事に、「被害者を減らせないか」とシステム構築に着手。海でのフィールドワークとAI(人工知能)のデジタル技術を融合させ、水温、風向、海面潮流のデータを用いて漂着の有無を自動的に判別するシステムを整えた。漂着が予想される場合は、海水浴場名も添えて「明日から明後日にカツオノエボシが漂着しそうです!」とX(アカウント名/クラゲアラート)で発信する。ちなみに昨夏は、漂着予測を3回発信し、見事にそのすべてで毒クラゲが確認された。
○…逗子で育ち、鎌倉学園中へ。1年時に父の出張で同行したアメリカで刺激を受け、英語の勉強に熱中。家でも映画や音楽を通じて英語に触れ、中学3年で英検準1級を取得した。「やってみなきゃわからない。行動しないと何も起こらない」。クラゲのシステム開発もそうだった。
○…受賞後には、直訴して鎌倉市長を表敬訪問。現在は個人のSNSでカツオノエボシの漂着を警告しているが、今後は海水浴場を管理する市との連携も考えられる。「何かを成し遂げたい」。そう語る17歳の可能性は広がるばかりだ。