大船安全運転管理者会の会長に就任した 兵藤 忠洋さん 鎌倉市在住 52歳
期待と信頼 誠意で応える
○…大船警察署管内の40事業所が加入する大船安全運転管理者会の会長に6月6日付で就任した。近年多い高速道路の逆走をはじめ、あおり運転、アクセル踏み間違えなど、交通課題を伝える講習を毎年開催するなど、事故防止の啓発に取り組んできた。今年2月に大船交通安全協会が閉鎖となり、「私たちの重要性は一層増している。季節ごとのキャンペーンなど、警察署や行政と連携して活動の幅を広げていきたい」と襟を正す。
○…大船生まれ、大船育ち。父親は(有)兵藤商事を創業し、ガソリンスタンドや自動車整備で地域の交通インフラを支えたが、自身にとっては「初めて大山に連れて行ってくれた」という登山の師でもある。しかし、大学在学中に父が急逝。生前の指名で、唐突に現場を仕切る学生社長に就任することになった。
○…「全てが手探り」という中、昼は学業と会社を両輪でこなし、寝る間を惜しんで夜学で整備士資格を取得。時に同業他社へ学びを請うなど「何も知らない」からこそ、謙虚に素直に一歩ずつ経営を学んでいった。ひたむきな姿に従業員たちの視線も変わる。「突然来た若社長に反感もあるのに、本当に支えてくれた」と感謝は尽きない。会社を任されてから30年。電気自動車の普及など、ガソリンスタンド業界の環境は厳しさを増す。同業者が一軒また一軒と姿を消すが、交通を支えるガソリンの重要性は変わらない。「山間部ではライフラインでもある。持続できる姿を模索していかなければ」
○…多忙な日々の癒しは登山や釣りなどアウトドア。思い入れのある大山は、毎年欠かさず訪れる。父と眺めた景色を見ながら、若き決断を思い出し、託された事業の無事を普段より少しだけ天に近い山頂から伝える。
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