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鎌倉 文化

公開日:2025.06.20

万博で伝統の技披露
「茶の子」松野友美さん

  • 来場者の目の前で煉り切りの手順や菓子に込めた思いを紹介する松野さん(写真提供)

 西鎌倉にある「和菓子処 茶の子」の松野友美さんが6月8日と9日、大阪・関西万博で和菓子作りの実演を行った。

 登録無形文化財である「菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし)」の魅力を伝えるもので、松野さんが実演したのは同万博のテーマウィーク「RELAY THE FOOD〜未来につなぐ食と風土〜」における文化庁主催の「和菓子」ブース。全国から選ばれた8人の和菓子職人が日替わりで担当し、関東圏から参加した和菓子職人は松野さんのみ。

 会場では、毎回20人程の来場者が入れ替わりで見学するなか、日頃行っている生菓子作りの手順や、菓銘の由来などを紹介。鎌倉の自然から着想を得た菓子として、鎌倉山の桜と若葉を見立てた「春霞」、由比ガ浜の花火をイメージした「由比の華」、紅葉と苔の境内を模した「吹寄せ」の3種のほか、新古今和歌集の歌にちなんだ「志賀の浦」も実演した。

 2014年に全国和菓子協会が主催する「選・和菓子職」の優秀和菓子職に認定されるなど、優れた技術を持つ松野さん。来場者との距離は近いとはいえ、よく見えるように「普段よりもゆっくりと丁寧に作りました」と振り返る。繊細な色使いの組み合わせを披露し、造形の技術では布巾で包んだ菓子を指で絞って白鳥の形を作る志賀の浦の技法が「マジックみたい」と、特に反応が大きかったという。

 大舞台での実演を終え、「緊張しましたが、菓子に込めた思いや作り方の工夫などに、多くの方が興味を持ってくれてうれしい」とし、「日頃のお店でも、お客様ともっとコミュニケーションを持つことが大切と気づきました」と経験からの学びを語った。

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