(公社)鎌倉市観光協会の会長に6月18日付けで就任した 中村 悟さん 材木座在住 63歳
古都の魅力紡ぎ観光牽引
○…古都鎌倉の魅力を守り、そして新たな価値を紡ぐために奔走する。「今は、鎌倉が抱えるさまざまな課題を洗い出しているところ。観光客の方々には、心ゆくまで鎌倉を楽しんでいただきたい。同時に、地域住民が穏やかに暮らし、商いを営む人々が豊かさを実感できるような環境を整えること。これらのバランスをどう取るかが重要だと考えている」と話す。一方的なルールを押し付けるのではなく、持続可能な観光モデルを築き上げることを目指す。
○…コロナ禍で休止したイベントの復活は、喫緊の課題の一つ。「ただ再開するだけでなく、現代に合わせ、より魅力的に生まれ変わらせたい」と意欲を見せる。さらに、注力するのは「夜の街の活性化」。単なる賑わいだけでなく、鎌倉らしい趣のある夜の過ごし方を提案できるような、新たな企画や協力体制を模索していく考えだ。
○…材木座で代々続く生花店「ナカムラ生花」の3代目。生まれた時から花に囲まれた生活を送り、中学生の頃には父について朝5時半に家を出て市場に通い、花の仕入れを手伝っていた。37歳で代表に就任し、「経営ですから、苦しい時も、このまま続けていいのかと悩むこともあった」と振り返る。しかし、結局は「好きだから」この道を歩み続けているという。花を受け取った人の笑顔が「何よりの喜び」だと目を輝かせる。
○…休日にはドライブで千葉方面へ足を延ばし、花の畑を訪れる。花への深い愛情は、自身の結婚式でも発揮された。妻のブーケを手作り。「前日に思い出を振り返りながら作りました。喜んでくれて、本当にうれしかったですね」と、優しさに満ちた笑みを見せる。色とりどりの花のように、鎌倉の観光に彩りを添えていく。