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鎌倉 文化

公開日:2025.08.15

鎌倉宮
粋な「歌合」が話題
宮司と言葉のキャッチボール

  • 上/参拝者から寄せられた「和歌」を紹介する小岩宮司、下/子どもや学生からと思われる作品

 鎌倉宮(二階堂154)で、小岩裕一宮司(53)と参拝者が和歌を通じて心を通わせる「歌合(うたあわせ)」が話題を呼んでいる。互いの歌を交わすことで、言葉の奥にある人々の思いに寄り添う宮司の姿がそこにあった。

 歌合とは、平安時代から鎌倉時代にかけて貴族の間で流行した和歌の優劣を競う遊戯。

 学生時代に短歌研究会の会長を務めるなど、和歌に深い造詣を持つ小岩宮司は、2017年の宮司就任時から「和歌で何かできないか」と考えていたという。

 そこで生まれたのが、22年に始まった「歌合」だ。境内の休憩所に設けられた「歌合コーナー」には、子どもから高齢者まで、幅広い世代の参拝者が詠んだ和歌が展示されている。詠み手は和歌を「和歌ポスト」に投函し、それに対し小岩宮司が直筆で返歌を記す。「みんな個性がある。こんなにおもしろいキャッチボールはない。本当にやりがいのある交流の一つ」と小岩宮司は話す。

 寄せられるのは、日々の喜びや感謝、時には愚痴や嘆きが込められた歌もある。小岩宮司は、そうした歌の気持ちを否定することなく、「別の角度から光を当てるように美しい言葉」で返す。

 31文字に無限の世界が広がる和歌を通じて、宮司と参拝者が紡ぎ出す心の交流。寄せられた和歌はこれまでに約450首に上り、小岩宮司は「返歌合わせ1000首に達したら何か形に残したい」と夢を語る。

 鎌倉宮では、8月19日(火)・20日(水)に「例祭」が行われる。

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