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鎌倉 社会

公開日:2025.09.12

連載vol.1鎌倉の未来 紡ぐ視点
官民連携で分散観光推進を
鎌倉市観光協会 中村悟会長

 鎌倉市のこれからのまちづくりについて、経済、観光、スポーツ、学生など、さまざまな分野の団体にインタビューする連載企画。初回は、(公社)鎌倉市観光協会の中村悟会長=写真=に「観光」を軸に話を聞いた。

 国内有数の観光都市・鎌倉。「呼び込まずとも観光客が来る」という人気ぶりだが、一方で慢性的な渋滞や江ノ電の混雑、観光客のマナー問題、白タクに民泊など、オーバーツーリズム(観光公害)による市民生活への影響はさまざまだ。

 対策として近年、観光協会が取り組むのが「分散観光」。「例えば、小町通りは昼間はぎゅうぎゅうに混んでいるのに、朝夜は閑散としている。王道の観光スポットに集中している観光客が時間と場所で分散するようにしたい」と中村会長。

 ウェブサイト「鎌倉観光公式ガイド」では、スマートフォンのGPSデータを活用した観光混雑マップを公開し、当日の混雑の様子や過去のデータからの推測カレンダーも用意。駅前の協会事務所では、手荷物の預かりや宿泊施設への配送サービスも行う。「大きな荷物を持って移動しがちな外国人観光客が手ぶらで観光することで、江ノ電などの混雑緩和につながっているのでは」

プレミアムな観光

 「王道」以外の場所に足を運んでもらおうと、寺や有識者と連携し、始めた企画もある。「質の高いプレミアム」なツアー「出張鎌倉ミュージアム」だ。昨年12月に明王院、5月に宝戒寺の協力を得て、アニメ『逃げ上手の若君』の主人公でもある北条時行の書状や足利尊氏の念持仏を特別公開した。今後も安養院などで開催予定で、ほかにも新企画の話が動き出しているという。

 「分散観光を狙うにも、朝夜に店を開けてと事業者に押し付けるわけにはいかない。マナーなどの問題がある一方で、真夏に日本人観光客が激減する中、外国人が来てくれることで助かっている事業者もいる」

 さらに、市内では、この数年でホテルが続々と営業を開始。市が導入を検討している宿泊税を前向きに捉えている。「導入されれば、街の課題解決に活用するなどの財源になり得る。どの課題も市や事業者らとの連携は欠かせない」

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