6月1日付で茅ヶ崎市の防災担当参与に就任した 佐藤 喜久二(きくじ)さん 東京都青梅市在住 67歳
想定外に備えを
○…6月1日付で、市民安全部防災担当参与(非常勤特別職)に就任した。茅ヶ崎市の防災対策の見直しや組織機能の強化などに対し、専門的かつ技術的なアドバイスを行う。「3月11日の震災は、前提としていたものをすべて崩されてしまった。茅ヶ崎市が、組織的に取り組むことは素晴らしいと思います。私も直接参加して地域社会のモデルケースになれれば」と意気込む。
○…防災関係の仕事を始めたのは、30年勤務していた陸上自衛隊を勧奨退官し、55歳の時に神奈川県防災局に入庁してから。ここでは、災害対策課訓練情報担当課長などの職を全うした。「防災訓練の企画や県内各所で講演をしました。ここから本格的に防災の制度などを学びましたよ」。現在は(株)総合防災ソリューション(東京都千代田区)で特任参与を務め、政府が行う図上訓練の企画や自治体訓練の評価などを行っている。また被災した岩手県、福島県、宮城県にも足を運び、現地で活動する自衛隊員の視察や各市町村長と情報交換も行ってきた。「既存の枠の中で、物を考えてはならない事を実感させられた。私たちは想定外の所でも仕事をしなくてはいけない」と表情を引き締める。
○…趣味はハイキング。少ない休日を利用して奥さんと奥多摩を散策することが楽しみの一つ。「自然は、人間を謙虚にしますね。若い頃は、他の人に抜かれることが悔しくて競争していましたが、今は身体のことを考えるようになりました」と満面の笑み。
○…「市民の方には、今まで以上に賢くなってほしいんです。情報源は早く正確なものを提供し、住民は正しく認識する力を身につけてほしいですね」と今後の防災対策への課題を挙げる。またこれから行う活動に対しても触れ、「市が災害時にスムーズに対処体制に移行できる的確なアドバイスをしていきたい」。この先の万が一に備え、動き始めている。
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