茅ヶ崎サーフィン協会会長としてハワイサーフィン協会と友好提携協定を結んだ 宇佐美 潤さん 東海岸南在住 63歳
ビーチを守る「生き字引」
○…友好協定は、双方のトップ同士の間で速やかに進んだ。「お互いサーフィンを愛する者同士。それに、国際大会でジャッジをしていた時に知り合ったサーファーが先方にいたからね」。顔の広さは業界でも随一。だからこそ、サーフィンを通した交流の力を信じている。「ハワイは日本に対してパールハーバーの暗いイメージがあるけど、これからサーフィンを通して友好関係を築いていきたい」と志は高い。
◯…16歳で茅ヶ崎のサーフィンクラブに入会して以来、「サーフィン漬け」の半世紀を過ごしてきた。20代半ばからはボード職人として、30代からはジャッジとしても国内外で活躍。「サーフィンをスポーツとして広めるには、客観的な評価方法が大切だ」という思いだった。黎明期から様々な形で普及に貢献してきた「生き字引」として、業界では”うーさん”の愛称で厚い信頼を寄せられている。
◯…東海岸南にある自身のサーフショップ「Country Line」での取材中、市外から来た女性がビーチまでの道のりを聞いてきた。すかさず、身振りを交えビーチ情報を教えて送り出す。「誰でもウェルカムだよ。海とサーフィンを愛する人ならばね」。朗らかに笑い、真剣な表情になって続ける。「人命救護も含めて、海を守るのがサーファー。特に茅ヶ崎は日本のサーフィン伝来の地なんだから、マナーとプライドを持ってほしい」。若手サーファーへ送る金言だ。
◯…サーフィンの魅力を「自由さ」と表現する。「波と自由に戯れる心地よさは何物にも代え難い。もちろん怖さもあるんだけど、だからこそ自由を感じる」。そんな”うーさん”も家庭では二人の孫を持つおじいちゃん。「息子には最初に海の怖さを教えちゃったから、あまり一緒にサーフィンできなかった。孫にはまず海の楽しさを教えて、共に波と戯れたいね」と夢を語る。サーフィン漬けの生活は、まだまだ続きそうだ。
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