茅ヶ崎市畜産会の新会長に就任した 柿澤 博さん 甘沼在住 50歳
身近に感じられる畜産に
○…35頭のホルスタインがいる牛舎で「この仔はさっき生まれたばかりなんです」と、自分の子どものように仔牛に愛情を注ぐ。「茅ヶ崎の都市型農業という特性をもっと活かし、市内の人々が畜産業と距離を縮められるよう搾乳体験会などを企画したい」。優しい語り口でも、乳牛・肉牛・養豚の畜産業に携わる計18人からなる畜産会の新会長としての決意が伝わってくる。
○…現在も住まいと牛舎を構える甘沼で生まれ育った。松林小・中を経て「周りの友人と同じように鶴嶺高に進学する」はずが、進路指導教諭に「中央農高へ進学しなきゃだめだ」と進言され、海老名にある県立中央農業高へ進んだ。「家を継がなくてはという重荷はなかった。楽しい高校生活を送れたし」と野球部の試合で仲間と応援団を即席で結成したことを思い出し、笑いながら振り返る。「高校が判るように牛の斑点模様に塗った柔道着をまとって、両手に大根を持って踊ってね。大盛り上がりで新聞にも載っちゃいましたよ」
○…牛舎の測量などを学んだ北里大学卒業後、現・農業アカデミーへ1年間通い、23歳で祖父と父に次ぐ3代目となった。「酪農家の先輩である父の指導も大事だったが、同業の仲間から得られる情報を大切にしてきた」。交友関係を重要視する姿勢は、保護者の一人としてPTAのない室田小で「おやじ倶楽部」の立ち上げに関わり、初代会長を務めたことからも伺える。
○…北海道の酪農高校へ通う息子を「帰省のたびに牛舎の仕事を手伝ってくれる」と嬉しそう。疲れた時は、製菓学校に通う娘が試作した和菓子を食べてリフレッシュ。近所の仲間との月1回の飲み会も楽しみの一つだ。「みんなと話すことで、これからの畜産業や茅ヶ崎が見えてくる。業界以外のところにも響くような行動が、今後は必要なんじゃないかな。少しずつでもね」。牛歩のように、しっかりと確実に前進する茅ヶ崎の畜産業を実感した。
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