茅ヶ崎・寒川 人物風土記
公開日：2016.01.15
２月開始の宅配事業で「ちがさき配食事業推進委員会」の会長を務める
前田 かおりさん
鎌倉市在住 46歳
「サービス」の可能性を追求
○…「市内飲食店のおいしい味をご自宅に届け、楽しい食事を地域に提供していけたら」。２月１日に開始するお弁当宅配サービスは、このほど茅ヶ崎市の「商店街にぎわい創出事業」に認定された。同事業の発案者として市内３事業者と共に「ちがさき配食事業推進委員会」を立ち上げ、サービスの準備に奔走する。「このサービスを発展させて、高齢者など地域住民の見守りや雇用の創出にも繋げていきたい」と展望を語る。
○…４兄弟の長女として川崎市に生まれ、高校卒業まで地元で育った。「小学生の頃の夢は１級建築士で、よく専門書を読んでいました。今思うと変わった子でしたね」と声に出して笑う。中高ではバスケ部などで運動にも励んだが、強く記憶に残るのは男友達と過ごしていたこと。「女子よりも男子といる事が多かった。音楽もマイケルジャクソンとか男性アーティストの方が好きだったからきっと話が合ったんですね」と当時に思いを馳せる。
○…20歳で社会人になり、社会保険労務士事務所で士業に従事していたが、25歳の時に移り住んだ茅ヶ崎で転機があった。コンビニで手に取った雑誌で大手乳製品メーカーの特約店募集の広告を見かけ「これだ」と起業を決意。（株）ケイ・フロント・サービスを起業した。素人同然で飛び込んだ世界だったが持ち前のバイタリティで男性社会にも順応し、経営者としての才覚はメーカーが頼りにするほどになった。
○…現在は鎌倉でミニチュアダックス２匹と暮らす。「まちの牛乳屋さん」の枠に留まらず、国の「ものづくり事業」などにも取り組み、業界の枠を超えて医療研究機関や他業種との連携を図る。「ただ宅配するのではなく、お客様の声を聴き、その声を商品に反映させていくことが明日のサービスに繋がると考えている。可能性がある限りサービスの向上を追求したい」。小さな体に秘めた熱い想いで新たな事業の舵を握る。
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