京都薬用植物園に植栽されるブラジルハーブの選定に携わった 長田 順子さん 東海岸北在住
ブラジルが人生の柱
○…「薬や香りなどに利用する植物、『ハーブ』。世界中に数えきれないほどの種類があり、その宝庫と呼ばれているのがブラジルです」。ブラジルハーブの研究家としての実績を買われ、武田薬品工業(株)が運営する「京都薬用植物園」の温室リニューアルに先立ち、新たに植栽されるブラジルハーブの選定に携わった。「日本で知ってもらえるきっかけになれば、うれしい」
○…山口県出身。「なぜ薬には作用と副作用があるのか」という興味から明治薬科大学へ進み薬剤師に。医学情報センターなどで副作用の研究を続けてきたが、30代後半に訪れたブラジルで衝撃を受けた。「アマゾン川流域の熱帯雨林を抱え、薬木、薬草が溢れていた。人々の生活に密着した利用法にも関心が向いた」。2、3年おきに現地に赴き、専門家や先住民の話を聞きながら研究を重ね、専門誌でもその成果を発表。現在は、日本を代表する研究家として認知されるまでに。「知れば知るほど興味はつきないですね」
○…「歌う薬剤師・JUNKO」がもう一つの顔。ボサノヴァグループ『SABIA』のボーカルとして都内や湘南で活動する。「ブラジルとの出会いは、実は音楽の方が早かった」。中学時代にラジオから流れてきたボサノヴァにはまり、大学でバンドを結成。卒業後も子育てに追われる中、歌手の小野リサさんにギター・ボーカルを師事し、30代でCDデビューを果たした。「私の人生の柱がブラジル。そのあたたかい心を歌でもハーブの研究でも伝えたい」
○…体力作りは10年続けているというスイミング。「水の中だといいアイデアが浮かぶ」と息抜きにもなっている。カンボジアで医療ボランティアを行っている歯科医の夫と3人の子どもの5人家族。家族が全員集まれば、得意の手料理を振る舞う。「全員O型でマイペース。それぞれ自分の夢を追いかけているので、がんばっている姿が自分の励みにもなる」と微笑んだ。
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