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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2017.04.07

4月29日(土)、30日(日)に開催される「湘南祭」でプロレス大会を行う
佐々木 貴さん
十間坂在住 42歳

気は優しくて力持ち

 ○…プロレス団体「フリーダムズ」の代表として全国を回りながら、小学校でいじめ防止や夢の大切さなどを伝える授業「道徳プロレス」の活動を3年前から始めた。子どもから「夢に向かって頑張る」「いじめない人が強い人」「怖いと思ったけど本当は優しかった」などの感想が届く。「思いが通じてうれしい。自分も周りに助けられて今がある」と目を細める。

 ○…生まれは岩手県。現在2児の父。祖父の影響で子どもの頃から大のプロレスファンで、将来の夢もレスラーだった。「皆がTVの前で熱狂する姿に不思議な力を感じた」。だが両親は猛反対。そこで考えたのが「大学生になって上京する口実を作ること」だった。思惑通り文教大学に合格を果たし茅ヶ崎へ。しかし入学から2年、夢は影を潜め大学生活を謳歌していた。そんな2年の春、当時交際していた妻から進路を聞かれ「レスラーになる」と断言。「なれるわけない」と一蹴され反骨心に火が付いた。すぐに茅ヶ崎の道場に入門。1年半の修行を経て大学4年の9月にデビューを果たした。その後7年半在籍した団体を自身のレベルアップのために移籍すると、移籍先が倒産。自身の所属先は決まったが、行き場を失った仲間を放っておけず「俺が団体を作る」と8年前に団体を設立した。

 ○…2008年、岩手宮城内陸地震が地元を襲う。「何か出来ることがあるはず」と物資を運び、炊き出しを実施。その後の東日本大震災、熊本地震でも炊き出しなどを行ってきた。さらに興業で全国を回りながら募った募金で無料のプロレス大会を地元で開催した。「千人以上来た。プロレスが人の気持ちを明るくできることを確信した」

 ○…「プロレスに対するイメージは誤解も多いが、イベントを通じて楽しみながら観られることをPRしたい。エンターテインメントとしての地位を確立できれば」。これからも夢の実現に向けて全力で戦い続ける。

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