茅ヶ崎・寒川 人物風土記
公開日:2018.05.04
「建築の日本展」の作品を手がけた
徳長 竜弘さん
芹沢在勤 33歳
挑戦がもたらす彩り
○…「日本の伝統文化に関わる人が減る中で、その技術を自分が受け継ぎ次世代へつなげていきたい」。大学生だった11年前、就職活動の真っ只中で行きついた思いが、今、実を結びつつある。
〇…六本木の森美術館で始まった「建築の日本展」に並ぶ作品に、木工職人として関わった。建築家・丹下健三氏の自邸を再現した木造模型の、建具を担当。「東京の一等地に展示されると思うとワクワクする」と話し、世界から注目される日本建築の企画展に胸を躍らせる。
〇…普段は、藤沢の自宅から車を10分ほど走らせた芹沢の作業場で、コツコツとものづくりに励む。3年前に独立して立ち上げた『杢工舎徳長』は、鳥のさえずりも聞こえる畑に面した場所。「時計を見なくて済むから」と時報も流れるラジオをつけ、一人だけの職場で全神経を集中させる。木製建具に家具の製作、修理、リメイク…。木材を使った幅広い仕事を請け負う。2年前にリニューアルした小田原城天守閣の展示空間には、日本古来の建具「舞良戸」を提供。現在は、江戸末期に建てられた横浜市内の寺の修復に腕をふるっている。
〇…「おもしろそうだなと思ったらやってみる」。真骨頂であるチャレンジ精神が、人生に彩りを与えた。茅ケ崎高校、神奈川大学では吹奏楽部に在籍し、今年も大岡越前祭のステージでバストロンボーンを操った。スノーボードに釣り、バイクとアクティブな一面も併せ持つ。図工好きに端を発して木工職人の道へと進み、20代後半には木工作業の指導を目的にタイへ渡って自身の世界観を広げた。
〇…常々思うことがある。「お客さんだけでなく、同業のプロがうなる仕事がしたい」と。今回の森美術館での企画展、関係者の評判は上々だ。
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