茅ヶ崎市文化団体協議会主催の明治・ハワイ移民150年記念講演会で講演する 橋本 正一(法名釋正信)さん 今宿在住 62歳
「お寺って楽しい」
○…12月2日(日)の講演会で、自身がハワイの寺で住職を務めた経験をもとに、現地の暮らしに溶け込む「お寺」や文化活動などを講演する。住職を務める来恩寺(今宿)で掲げる「楽しくなければお寺じゃない」のスローガンもハワイの体験が元。「ハワイではお寺は、遊びに行く場所。もっと気軽な距離でありたい」と屈託ない笑顔を見せる。
○…兵庫県・教泉寺に生まれる。修行中に友人がアメリカの寺院へ配属されると聞き、持ち前の好奇心が発動。「自分も国外へ」と、海外旅行未経験ながら重ねた修行が認められ、現地からのスカウトを経て、1983年にハワイ・カウアイ島のコロア本願寺に住職として配属された。
○…現地での法話は全て英語。「文化や考え方の違いに、日々驚きと発見の連続」という中、特に印象深いのが「病院見舞い」。病院付きの聖職者として、毎週入院患者を訪問し悩みなどを聞く活動で、「日本では、聖職者が病院に現れるのは死期間際。宗教は“生きている自分”を救うものという、ハワイならではの感覚でしょうね」としみじみと振り返る。
○…帰国後、函館、築地本願寺を経て1991年に茅ヶ崎で自身の寺を開いた。「お寺同士も良い関係でいたい」と、組長を務める浄土真宗本願寺派・鎌倉組で寺対抗のボウリング大会も主催する。球技全般を好んで嗜むが、観戦に関しては特に「阪神タイガース」に熱を上げる。1985年の球団史上初の日本一の動向を知るためにハワイで声をかけた観光客が、現在の妻。夫婦二人三脚で寺を運営し、3人の子どもたちはそれぞれの道を歩んでいる。「阿弥陀様の教えでは、喜びも苦しみも悲しみもすべては『ご縁』。国や文化を越え、より多くの方とご縁を結びたいですね」
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