2015年から3年をかけて行われていた「鉄砲道の沿道景観形成事業」が、2月15日で完了した。総事業費約5200万円を費やし、「歩きたい、出掛けたい通り」を掲げ、ベンチ新設や街路樹整備、一部歩道の再舗装などを実施した。
柳島から富士見町までを東西に結ぶ市道0121号線。江戸幕府が柳島から藤沢にかけて設けた鉄砲場を由来に、通称「鉄砲道」と呼ばれている。
鉄砲道の沿道には街路樹としてツバキが植えられていたが、近年、老衰などで生育状況が悪化。住民から害虫相談や剪定などについて意見が寄せられていた。市景観みどり課の松原宗佑さん(36)は「街路樹は火事の延焼遅延効果があるため、都市計画においても整備が必要だった」と振り返る。
また鉄砲道は、同課が並行して改訂を進めていた景観計画の中で、地域の景観の中心を担う「景観ベルト」の1つに位置付けられていた。計画では理念として「屋外での生活を楽しんでいる人々の姿がさまざまな場所で見られること」を掲げていることから、街路樹整備と合わせ、憩いの場となるベンチの新設や一部道路の舗装の改良も行われることになった。
憩いの場となる道
今回の事業は「東海岸会館前」交差点から「平和学園前」交差点までの2120mを対象に、範囲を区切り3年をかけ工事。対象外の区間については、道路幅の問題などから現在整備は検討されていない。
ベンチは店舗やバス停がある場所などを中心に21基を設置。街路樹は、夏に花を咲かせるサルスベリのほか、クロガネモチ、モチノキ、アラカシといった常緑樹が植えられた。
近隣住民の親子連れは「ベビーカーでも通りやすくなった。緑も多く、明るく茅ヶ崎らしい道」と話し、同課の前田俊明さん(40)は「憩いの場となる道を中心に、地域のゆるいつながりの生成に期待したい」と話した。
今年度は事業と合わせ、景観計画改訂も完了。計画には「施設の景観形成基準」として鉄砲道をモデルケースにした「歩行者空間・自転車走行空間」の基準項目が追加された。松原さんは「今後も市民の声に寄り添いながら整備を進めていければ」と話した。
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