神奈川で生まれたトマトの新品種「湘南ポモロン」。県は6月26日(水)、料理人らにポモロンの魅力を紹介するクッキング形式のセミナーを開催する。「湘南」の名を冠し、茅ヶ崎でも商品開発が盛んなポモロンの魅力について取材した。
ポモロンの開発は平塚市の県農業技術センターが中心となり、1995年に始まった。国産の丸いトマトは生食向きだが、煮崩れしやすいため加熱調理には不向き。イタリアなど外国産の細長いトマトは加熱しても崩れず、味は濃いが糖度や酸度が低いため生食には不向きという特徴があった。ポモロンは、それぞれの良さを併せ持ち、生食・調理両方に利用できる品種として開発された。
名付けは県の野菜ソムリエ団体に依頼。挙げられた約30の候補の中から、トマト生産農家が3つを選択、最後は黒岩祐治県知事が決定した。こうして県知事お墨付きの県特産品として生まれたのが湘南ポモロンだ。
リコペン通常の1・5倍
ポモロンはアミノ酸が豊富で、美容にも良いとされる抗酸化物質リコペンが一般の大玉トマトの1・5倍。食育面からも注目を集めている。店頭で目を引くよう見た目にもこだわり、中型でツヤのある形状、イタリア風の鮮やかな赤色と黄色が特徴。味は、青臭さが少なく甘みと酸味がはっきりしており、加熱しても味の濃さが際立っている。果肉が多いため輪切りにしても汁だれが少なく、サンドイッチなどにも向いている。
茅ヶ崎市では、加工のしやすさを活かし商品開発に力を入れており、地域ブランド創出に一役買うと期待している。
ポモロン生産者は県内に現在30軒ほどで、販売は直売所が主となっている。市内では、野崎農園(下寺尾)の生産販売が目立つ。同園はトマトのハウス栽培と販売を行っており、ポモロンの生産は、流通が始まった2015年当初から行っている。
県技術センターによると、ポモロンに限らず、新品種の野菜は、知名度の低さや販路の少なさに加え、そもそもの栽培方法自体が確立されておらず、安定した流通まで10年以上かかることが常だという。同園の野崎寿一さん(34)も「3年目の今も安定した生産はなかなか難しい」と話すが、温度管理や日当たりの細かな調整を行い、「今年も出来はぼちぼち」と笑顔を見せる。「茅ヶ崎の人に加工前のポモロンもぜひ食べてもらい、そのおいしさを広めてほしい」
茅ヶ崎版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
21日午後から交通規制4月19日 |
|
<PR>