浜降祭の当日7月15日の午後1時頃、みそぎを終えた南湖地区の3つの神輿が、令和元年を祝して80数年ぶりに江戸屋重田家(十間坂)へお礼参りした。神輿保存会の会員や、地域住民ら400人以上の活気で、南湖から十間坂の路地裏には祭りの喧騒が戻った。
渡御の由来は南湖に神輿がなかった江戸中期にさかのぼる。当時、鶴嶺八幡社(浜之郷)の浜降祭は、神輿が南湖の浜へ渡御する際、担ぎ手が南湖の漁師へと代わり海岸でみそぎをした。帰途に就く際は鳥居戸橋あたりで当地の若者に返して宮入をしていた。
だが1702年、南湖の漁師たちが神輿を返さず、宮入ができない事態となった。この仲裁に入り、和解させたのが茶屋町の名主・江戸屋重田家だった。重田家の屋敷神を祀ることで仲町の八雲神社、上町の金毘羅神社、下町の住吉神社ができ、自分たちの神輿を持った。
現在は神輿の代わりに白木の御幣を担ぐ「御幣参り」として受け継がれており、この度、令和元年を祝して神輿での渡御を行った。
八雲神社の鈴木信幸総代(85)は「南湖に神輿があるのは江戸屋さんのおかげ」と感謝し、重田家のはつみさん(90)は「長生きしてこの場面を迎えることができてうれしい」と感動の声を漏らした。
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