7月14日から開催されている茅ヶ崎市美術館「美術館まで(から)つづく道」は、アーティストが同館周辺の道を障害者らと歩き、感じたことを作品にする、これまでにない試みだ。作品に込められた思いを3回にわたって紹介する。
聴覚障害の西岡克浩さんと歩いたのは、メディアアーティストの金箱淳一さんと音空間デザイナーの原田智弘さん。音の感じ方や多様性を主題にしてきた2人は、風に乗って届く音、風を通じたつながりに題材を得た。
完成した『音鈴』は、風鈴にイメージのきっかけを得て作られた、わずかな揺れに反応し、光や音が出るインスタレーション作品だ。「テーマは風の可視化。触れることのできる“音”を楽しんでほしい」と微笑んだ。
鳥のように、上へ
画家の原良介さんがフィールドワークを共にしたのは、「小さな感覚特性者」として選ばれた2歳(当時)の娘、そよちゃん。人と自然との距離を主題にしてきた原さんにとって、自身の家族をモチーフにするのは初の試みだ。
大人の思惑をよそに、茅ヶ崎市美術館周辺の迷路のような道を自由に動き回る姿を追う中で、段差や坂など、「上へ上へと動く習性」に気付いた。そのエネルギー動作が、偶然着ていた「鳥」模様の服と混ざり合い、今回の10点の作品群となった。天井から差し込む光に照らされ、絵から飛び出した「小さな生き物」が、展示室を飛び回るようなエネルギーを感じる。
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