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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2019.08.09

茅ヶ崎市保健所の所長を務める
南出 純二さん
茅ヶ崎在勤 63歳

命あっての物種

 ○…保健所とは、地域住民の健康や衛生など、公衆衛生を支える公的機関のひとつ。茅ヶ崎市へは、2017年に全国で6カ所目となる保健所政令市への移行に伴い赴任。市内にある県衛生研究所と提携することで独自の衛生研究機関を持たない、全国で唯一の保健所という変わった存在だが「やり方は変われど、目的は変わらない」と職員らに厚い信頼を寄せる。

 ○…北海道生まれ、相模原市で育つ。湘南高校、信州大学卒後、神奈川県立がんセンターへ。当時はまだ「治らないがん」と言われていた食道がんを専門に、外科医として30年超、心血を注いだ。

 ○…印象的だった患者を聞くと「いつも目の前の患者さんに全力だったからなぁ」とポツリ。干草の中の針を探すより困難と言われるがん細胞の検査。術後の“再発”は正しくは“再発見”に近い。さらに「乱暴な言い方をすれば手術はケガ。食道がん手術の“ケガ”の規模なら全治3カ月から半年。予断を許さない」。食事をかきこみ、わずかな仮眠をとり、休みは月一で取れるか取れないか。難しい症例を前に額を突き合わせ協議を重ね、死亡率は少しずつ改善。次世代にバトンを託し「治らないがん」の看板が下ろされるのを見届けてから、臨床現場を離れ、保健所配属となった。

 ○…2人の子どもは独り立ちし、夫婦水入らず。休みの日はサイクリングや都内の美術館などにも足を延ばすが「空調管理された院内に長年いたので、お日様のあるうちに外に出ること自体が新鮮だった。夏は暑いし、冬は寒いんだよね」と笑う。アロハシャツに身を包みつつ「近年は服装だけでなんとかできる暑さじゃないから、空調なども活用して。公衆衛生は自分だけでなく社会をまもるもの。命あっての物種」と深くうなずいた。

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