9月4日は日本音楽マネージャー協会が制定した「ク(9)ラシ(4)ック音楽の日」。市内本村を拠点に、今年創業20周年を迎えた、クラシック音楽・吹奏楽専門の国内レーベル「CAFUAレコード」を取材した。
1990年代、音楽媒体がレコードからCDに変わり記録が手軽になった一方、クラシック業界、特に吹奏楽やブラスバンドは録音音質に悩みを抱えていた。「楽譜は同じでも、演奏は一度きりの奇跡。同じ音楽は二度と奏でられない」と代表の笠井博さん(64)。自身も青春時代を吹奏楽での演奏に熱を入れた身。当時は別業界にいたが、音楽仲間の嘆きをきっかけに、「愛好者による愛好者のための、万人が喜ぶ良い録音」を行うべく、同社を立ち上げた。
臨場感のある音質はすぐに業界で評判を呼び、特に高校や大学などからは「演奏を単なる記録としてだけでなく、思い出として、資料として残せる」とCDに付随するブックレット(小冊子)の作成が喜ばれた。
看板商品は、国内で初めてコンクールに特化したCDとして2004年に販売した『CAFUAセレクション』だ。演奏は航空自衛隊に依頼。大会出場校を中心に全国的にヒットし、シリーズ化され、16弾まで続いた。
交響組曲「GR」誕生
同社の強みは、録音からリリース、楽譜出版まで一手に行えること。オーケストラ譜の吹奏楽向けアレンジも得意とする。映画『バトル・ロワイヤル』などで知られる天野正道さんが作曲したOVA『ジャイアントロボ』の曲を元とする、『交響組曲GR』は同社企画。00年の初演以来、コンクールの代表曲に。以降業界では、人気アニメや映画のサウンドトラックの交響組曲化が鉄板となった。
「辛かった」と笠井さんがこぼすのは07年。CDレンタルの規制緩和で売り上げが半減した。録音や楽譜出版が屋台骨となり持ち直したが、「仲間がいなかったら何もできなかった」と目尻を下げる。
現在も7人の社員で力を合わせ、年に10枚ほどのCD、楽譜を出版。録音依頼でコンクールや演奏会など全国を飛び回る。「現場は大変だけど、本番前に舞台裏で録音の準備をすると、いつもワクワクが止まらない」と笠井さん。「茅ヶ崎は音楽の似合う街。これからもいい音楽を残し、受け継ぎたい」
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