茅ヶ崎の夏の風物詩「浜降祭」。その祭典とゆかりの深い海浜植物「ハマゴウ」が、市内中島の大森正美さん(78)宅で花を咲かせている=写真(7日撮影)。
毎年7月から8月に青紫色の花をつけるハマゴウ。5年前、大森さんが知人から譲り受けた。「小さな苗だったのにこんなに大きくなって」と感慨深げに漏らす。
約170年前、南湖の網元であった鈴木孫七が、流失して海中に沈んでいた寒川神社の神輿を引き上げた際、このハマゴウを敷いて安置したと伝えられている。
その由来から浜降祭で海岸に到着した寒川神社の神輿の下に、ホンダワラという海藻を敷き詰め、その上にハマゴウの枝を挿し並べることが習わしとなった。
来年こそは開催を
その昔、茅ヶ崎海岸には現在のようなクロマツ林はなくハマゴウが群生していた。原生のハマゴウは宅地開発等により姿を消し、海岸などで今見られるのは市外から持ち込まれたものだという。
現在、原生由来のものは柳島の藤間家、南湖の公園、鈴木孫七邸宅の3カ所のみ。孫七邸宅のハマゴウは今も寒川神社の儀式に供されている。
孫七の親戚にあたる鈴木信幸さん(84)は「今年は浜降祭が中止となり残念。来年こそはハマゴウと一緒に開催を迎えたい」と話した。
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