「制作活動に没頭したい」と、7年前に鉄砲通から移転した谷さんのアトリエ・CYCLE BOYは、閑静な住宅街を抜けた先にある豊かな自然に恵まれた甘沼にある。
趣きのある木製の扉を開けると、好奇心をくすぐられる秘密基地のような空間が現れる。牛舎を自らの手で改築したそこには、フレームやギア、サドル、ベルなどのビンテージパーツをはじめ、部品をアートに昇華したインテリアや、制作途中の自転車が並ぶ。
東京生まれ、埼玉育ち、茅ヶ崎在住。家業は自転車専門店。ブリヂストン社のテクニカルアドバイザーも務めていた父の背中を見て育った。プロダクトデザインを学び、シャープに入社。カセットデッキやテレビ、オーディオなどのデザイナーとして活躍した。
退職後に家業を継いだが、年間休日が数日という激務が続き、3年で心身共に疲弊した。「うつだったと思う」。海のある場所で静かに暮らしたいと、30代前半で茅ヶ崎へ。平和学園の裏辺りで自転車店を開業した。
映画やアパレル業界からラブコール
数年後、鉄砲通に移転。それが転機になった。オーダーメイドの街乗り自転車店として再出発した谷さんの独特の世界観に惹かれた映画やアパレル業界から多数のラブコールが。スタジオジブリ作品「魔女の宅急便」が実写映画化された際に使用された自転車は、すべて谷さんがデザイン・制作を担当した。
大切にしているのは、「乗っていて幸せ」と思える事。依頼主の思いとデザイン、そして実用性を兼ね備えた一台は、「素敵な場所へ連れて行ってくれる」。
「死ぬまで創造していたい」と言い切る。今後は、茅ヶ崎を拠点に海外への進出も本格化させる。「世界にアピールする準備はできている」
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