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茅ヶ崎・寒川 意見広告

公開日:2026.01.23

国政報告
中国の軍事拡大と日中関係
衆議院議員 河野 太郎

中国の海洋進出

 かつて中国は、ソ連やインドといった国境を接する大国との間で領土問題を抱えていました。また、中央アジアやベトナムとの国境も決して安定したものではありませんでした。そのため歴史的には中国の軍事力は、陸軍を中心としたものでした。しかし、その後、周辺の国々との領土問題を次々と決着させ、積極的に海に進出するようになりました。中国は、「2010年までに第一列島線(沖縄、台湾、フィリピンから南シナ海に延びる線)に防衛線を引き、その内側への米国海軍の侵入を抑止する。2020年までに複数の空母部隊を建設し、第二列島線(伊豆諸島、小笠原諸島、グアム・サイパンから南に延ばした線)の内側の制空権を支配する。2040年までに西太平洋とインド洋におけるアメリカ海軍の独占状況を阻止する」ということを目指してきました。

 1996年の台湾の総統選挙で、台湾独立を志向しているといわれた李登輝氏の優位が伝えられると、中国は台湾付近で大規模な軍事演習とミサイルの発射を行って威嚇しました。そのときアメリカは空母二隻を台湾海峡に送り込み、圧倒的な米中の軍事格差を見せつけました。このときの屈辱がその後の中国の海軍力拡大につながったと言われています。

 その後、中国の潜水艦の能力は著しく向上しました。2006年10月、アメリカの空母のすぐそばに、突然中国の潜水艦が浮上しました。アメリカの空母は潜水艦の接近に全く気がついておらず、もし、この距離で潜水艦から魚雷を撃たれていれば空母はおしまいでした。

 また、石油や天然ガスをはじめ、資源の輸入国に転じた中国は、米中が対立したときにアメリカ海軍によって中国への物流が妨害されることを防ぐために、海軍力の増強に力を入れてきたといわれています。

 南シナ海の西沙群島や南沙群島では、まず中国による海洋観測が始まり、その後、「(武装した)漁船」がその海域に進出、「(武装した)漁民」が上陸して島に構造物を建造し、最後にそれを守るという名目で軍が上陸して実効支配するということが行われました。そして、中国は「南シナ海は中国の核心的利益である」と発言するようになりました。「中国の核心的利益」という表現は、それまで台湾やチベットのようにいざとなったら中国が武力を行使してでも必ず守らなければならないものを指してきました。

拡大する中国の軍事支出

 中国が国防費として公表している額は、実際に軍事目的に支出している額の一部にすぎず、中国の実際の国防支出は公表された国防予算よりも著しく多いと言われています。日本の2025年度の防衛予算は8兆4748億円ですが、中国の国防予算は、公表分だけでも日本円で約37兆4779億円にのぼります。この公表されている国防予算の規模は、1995年度から30年間で約28倍、2015年度からの10年間で約2倍になっています。そして1991年までは中国軍に存在すらしていなかった新型潜水艦、新型駆逐艦・フリゲート艦、第四・五世代戦闘機を、それぞれ55隻、94隻、1668機配備するまでになりました。一方、自衛隊の保有する潜水艦は22隻、新型駆逐艦・フリゲート艦51隻、第四・五世代戦闘機は330機にとどまり、その戦力差は拡大する一方です。

 中国が国防費を急速に増やしていることは外からわかりますが、中国の意図を正確に知ることはなかなかできません。そのためにインド太平洋各国は中国の意図に疑念を持ち、あわせて国防予算を増やしてきました。ロシアのウクライナ侵略後に、我が国の国防費もGDP比2%にまで増やすこととなりました。しかし、東アジアの情勢の中で日本が持つべき防衛能力を持続可能なものにするためには、財源の確保と防衛産業の強化が不可欠です。

 最近の自衛隊の採用は計画の半分程度にとどまり、深刻な事態です。2023年度は採用計画19,598人に対して9,959人、達成率は51%、任期制自衛官に至っては、30%弱の採用率でした。今後も少子化による若年人口の減少と民間との人材獲得競争を考えれば、この数字が劇的に改善される見込みはありません。さらに宇宙やサイバーといった新しい分野での国防も必要になっていきます。そのために陸上自衛隊と航空・海上自衛隊との人材配分や重厚長大の兵器体系などの見直しやAIの積極的導入が必要です。

これから

 経済面では依然として日本にとって中国は重要な相手です。日本にとって中国は、最大の輸入相手国です。輸出でもアメリカに次いで第二位の相手です。これまでも中国との間では、レアアースの禁輸や恣意的な輸出入の一時停止、渡航の制限などの問題が生じていますが、だからといって経済的な関係を白紙にすることはできません。他方、中国にとっては、日本は重要だが最優先ではないという存在です。日本の貿易に占める中国比率は2010年代と比較して低下してきていますが、輸入先として代替が困難なものがあったり、依然として中国市場に依存しているものがあったりと、官民で戦略を立てながら、リスクを管理していく必要があります。

 ASEAN、インド、中近東等との貿易量を着実に増やし、貿易に占める対中依存度を下げ続けること、輸出先としての中国市場は維持しながらも投資は慎重にすること、サプライチェーンの二重化を進めること、中国が日本に依存する分野を作ること、ヨーロッパなどと戦略の協調を図ることなどが必要になります。

 今後の日中関係で大切なのは、政府は毅然と、国民は冷静に対応することです。強い言葉や感情に流されるのでなく、日本にとって最適な状況を作り出すために、現実的な対応をしていきましょう。

超党派年金制度改革データベース

 超党派で年金制度改革の議論を続けています。そして、国民の皆様に広く年金について知っていただくため、考えていただくために、「超党派年金制度改革データベース」を立ち上げました。https://nenkindb.jp/です。ぜひ、アクセスしてみてください。

 2004年の年金制度改革で年金制度は100年安心になったといわれました。たしかに「年金制度は破綻しない」かもしれません。それは破綻しないように給付を下げていくからです。しかし、それでは「年金生活は破綻します」。制度は守れても、生活は守れないのでは意味がありません。

 私たちも、まず、真実の年金のありようを世の中と共有し、このままで自分の老後の生活は大丈夫かということを皆さんと考えていきたいと思っています。

自民党神奈川県第十五選挙区支部

茅ヶ崎市十間坂1-2-3ツユキビル2F

TEL:0467-86-2001

https://www.taro.org

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