茅ヶ崎市は4月23日の定例記者会見で、2022年4月1日からごみ有料化を開始することを発表した。「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」(資源物、草・葉・枝、紙おむつなどを除く)を対象に、指定ごみ袋の購入が必要となる。
家庭系ごみ袋は、1枚あたり「5リットル10円」「10リットル20円」「20リットル40円」「40リットル80円」の4種類。事業系ごみ袋は「20リットル150円」「40リットル300円」の2種類。10枚1セットで、コンビニやスーパーなどで販売する。生活保護、児童扶養手当、特別児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成の受給世帯は減免措置(1世帯当たり年間上限20リットル130枚を交付)となる。
直接搬入の手数料についても改定され、家庭用ごみは1kg12円から14円へ、事業系ごみは1kg24円から28円へ増額。大型ごみは1点につき500円分の証紙代が必要だったが、700円となる。
「2033年問題」に備え
ごみ有料化の背景にあるのは、2033年に茅ヶ崎市が迎える「ごみ処理問題」だ。
市のごみ焼却処理施設は同年度に設備機器の耐用年数が過ぎるため、整備が必要となる。また、これまで灰を埋め立ててきた堤十二天一般廃棄物最終処分場についても使用期限を迎えるため、34年度以降は市外で焼却灰の処理(再資源化等)をしていくこととなる。再資源化には1トンあたり約5万円、年間3億5000万円が必要となる見込みだ。
現状においてもごみ処理には30億円程度の経費がかけられており、財政難の状況にある市にとって、ごみ減量は喫緊の課題となっていた。
家庭ごみ25%減目標
ごみ袋の販売によるプラス収支が年間2・3億円見込まれるほか、費用負担を抑えようという意識からごみ排出量全体の抑制が期待される。2017年度は家庭系ごみ排出量が4万6093トン、事業系が9884トンだったが、34年には家庭系3万4570トン(25%減)、事業系4942トン(50%減)を目標としている。
課題として考えられるのは、ごみの不適正排出や不法投棄だ。実施までの1年間で広報を徹底するほか、巡回パトロールを強化していく。なお県内では、すでに藤沢市や寒川町など7市町で有料化が導入されている。
ごみ処理問題は、2017年度から検討を開始した。まちぢから協議会や各自治会での意見交換会、パブリックコメント実施などを経て、昨年度に「茅ヶ崎市ごみ減量化基本方針」を策定。関連する改正条例が今年3月の市議会定例会で議決され、来年度からのごみ有料化が決まった。
佐藤光市長は記者会見で「市民の皆様にご理解を賜りたい」と述べた。
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