茅ヶ崎・寒川 社会
公開日:2022.03.04
記者レポート【前編】
キエーロで「生ごみ消え〜ろ」
有料化を受け、ベランダで挑戦
4月からのごみ有料化まで1カ月を切り、「家庭内のごみ減量化」の課題がいよいよ目前に迫ってきた。そんな中、市内で子育て中の記者Oは、有料化が発表された昨春から、自宅マンションのベランダに木製コンポスト「キエーロ」と、バッグ型コンポストを導入。家族3人で生ごみ削減に取り組んでいる。「ちゃんと生ごみは分解されるの?」「臭いは?害虫は?」。気になる疑問に答えるとともに、失敗しないポイント・長続きする秘訣を前後編にわたってレポートする。
「キエーロ」とは、バクテリアの力を利用した家庭用の「生ごみ処理機」。太陽熱と通風が分解の力を活性化させるという。多くの自治体が一般家庭での普及を目指しており、茅ヶ崎でも補助金交付の対象となっている(購入に限る)。
ベランダ用を自作
自然派の母親に育てられたこともあり、キエーロに興味津々だったO記者。数年前から検討するも、賃貸住宅だったこともあり、踏み切れずにいた。そんな中、有料化の発表とマンション購入が重なり、とうとう取り入れることに。
主だった販売店が無いのはリサーチ済み。そのため、ネットで紹介されている作り方を参考に、ホームセンターで木材を購入してDIY。所要時間は2時間足らずで、黒土5袋分と材料費を合わせても、4千円ほどだ。
土に混ぜ込むだけ
さて、ここからが本題。野菜くずや果物の皮、食べ残しを蓋付きのタッパーに溜めていっぱいになったら、キエーロへ。シャベルでまんべんなく土に混ぜ込んで、おしまい。「えっ!?それだけ?」とお思いだろう。そう、本当にこれだけなのだ。
なのに、あら不思議。2、3日後には土に還って見事に消えている。卵の殻や魚の骨も、何のその。とはいえ、キャベツの芯や玉ねぎの皮は、それなりの時間が掛かる。
コツは、細かく刻むことと、野菜やそばを茹でた熱湯もタッパーに入れること。火が通っていた方が分解が進むほか、土も、泥団子になるくらいの水分があった方が良いとされている。
また、「前回は左側に入れたから、今日は右側に。次回は真ん中に」というように、投入エリアを3つほどに分けることもポイントだ。
そして一番気になる、臭いと害虫といえば…。土をたっぷり掛けて蓋をするので、臭いは一切無い。混ぜ込む際に時折、未分解のものが鼻を突くが、畑の香りという感じ。害虫は今の所、お目にかかったことはない。
育てる感覚で
聞けば、バクテリアも糖分と脂肪分が好きなのだとか。人間と同じような好物を知った途端、「ペットに餌をあげる」感覚になり、生ごみを溜めたり、土に混ぜる時間が楽しくなる。さらに、期待に応えてくれるかのように分解が進むと、ますます意欲が湧く。この循環こそが、続けられている秘訣だろう。3歳の息子も「土にごはんあげる」「みかん、土になっちゃった」と楽しそうにシャベルを握っている。
週2のごみは半分に
我が家の燃やせるごみは見事、半量に。さらに、夏季のコバエとおさらばできたという副産物も。一方のキエーロはかさが増えることもなく、当面は堆肥として利用することもなさそうだ。
迎えた冬。気温が下がり、思うように分解が進まないこともあり、2基目を製作した。その手間も惜しまないくらい、我が家ではキエーロのある暮らしを楽しんでいる。
■後編は「バッグ型コンポスト」について紹介
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