市内在住の伊澤きみさんは今年で104歳。週に2回デイサービスを利用しながら、趣味を広げ、元気に人生を謳歌している。健康・長寿の秘訣を聞いた。
戦後茅ヶ崎へ
伊澤さんは1918年(大正7)に横浜・伊勢佐木町の貴金属商の4女として生まれた。米騒動やシベリア出兵など、激動の時代だった。
第二次大戦の戦火で家を追われると、夫の実家がある茅ヶ崎に移り住んだ。主婦をしながら、夫が営んでいた保険会社を手伝い、夫の実家だった茅ヶ崎駅前の和菓子店でも働きながら、3人の子どもを育て上げた。
夫は今から20年ほど前に他界。当時は寂しい思いをしたが、「子どもたちが支えになってくれたおかげで乗り越えられた」と振り返る。
それから10年ほどした2010年から市内松浪のデイサービスを利用し始めた。
施設では塗り絵や絵画に取り組んでいるというが、時間を見つけては体も動かしている。とにかく好奇心が旺盛。元々ギターやスキー、アコーディオンをたしなむなど多趣味で、それは今も変わりない様子。「私もあんな服着てみたい」「あのお花可愛いから描きたい」「あのゲーム楽しそうだから私もやってみたい」と興味は尽きない。これから取り組んでみたいことはと問うと、「そうね、ダンスもやってみたい」と即答し、周囲を驚かせた。
「きみワールド」の虜に
伊澤さんの礼儀正しさも人を惹きつける。
朝、到着すると「おはようございます」と深々とスタッフたちに頭を下げ、「じゃあまた今度ね。さようなら」となじみの利用者仲間の肩を何気なくポンと叩いて帰路に向かう。
施設スタッフの遠座麻衣子さんは「いつも笑顔で、ユーモアのセンスも抜群。いつの間にか、周りの人たちが『きみワールド』に引き込まれ、穏やかな雰囲気に包まれる時間はとても貴重です」と話す。「憧れの存在であるきみさんの生活を、少しでもお手伝いできる様、これからも支援させていただきたい」
目標は「健康的に長生き」
健康の秘訣は「よく寝て、おいしいものを食べ、運動すること」。夜9時には就寝し、朝7時に起床するのが習慣。お寿司に目がなく、特にまぐろが好物だ。伊澤さんは「私、気持ちは60歳。ほんと毎日が楽しい」と笑う。
今後の目標について「頭がしっかりした状態で健康的に長生きしたい」という。
「何でも食べて、やりたいことをやってほしい。楽しんで過ごすことが一番大事なんだから」。屈託のない笑顔で、人生の先輩としてエールを送った。
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