連載Vol.8 世界が切り替わる魔法の言葉
鍼灸師・カウンセラーの鈴木友紀子さんによる、人生を大きく変えた一言や救われた一言、それにまつわるエピソードと「言葉の持つ力」について紹介する連載コラムです。
自愛に気づいた一言「その身体だからこそできることがある」
Yさん(81歳女性)は長い間、ボランティアで、たくさんの人にお手当てをしてきました。困った人がいれば惜しみなく力を注ぎ、幾度も奇跡を起こしてきました。
少し前、突然左半身が思うように動かなくなり、原因は全く分かりません。この年齢まで悪い所が1つもなかった彼女にとって、それはとても受け入れ難いことでした。
「お手当てをし過ぎてそんな身体になったのよ」
「その身体でまだ続けるの?」
周囲からは、心ない言葉が聞こえてきます。
悩んで訪れた彼女に、私はこう伝えました。
「その身体になって初めてわかることが山ほどあると思います。その身体だからこそできるお手当てが山ほどあると思います。これまで救ってきた人たちからの感謝を受け取ってください。そしてこれまであなたがしてきたことに誇りを持ってください」
数日後、電話をかけて来た彼女はこう話しました。
「私は1番大切なことを忘れていました。それは最も身近にあるものを慈しむ気持ち。今日からが本当のスタートです」
81歳のYさんの更なる進化が楽しみです。
![]() |
![]() |
|
|
<PR>
|
<PR>