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茅ヶ崎・寒川 文化

公開日:2023.11.03

色鮮やかな世界 大胆・緻密に
カラフルアーティストFukaさん

  • 市障害者支援アプリに使われた「サザンCへ行こう」

  • 一つの作品を仕上げるのに数カ月かかることもあるというFukaさん

  • お気に入りというグッズを手にする「明」の尾崎さん

 目が覚めるような色彩と画面いっぱいに躍動する人や動物たち―。独自の絵画作品で地元茅ヶ崎を中心に人気となっているのが「カラフルアーティスト」Fukaさんだ。現在、茅ケ崎支援学校(西久保)に通う高校3年生。自閉症があるものの、幼い頃から絵の才能を発揮してきた。その作品に魅せられた個人や企業、施設から多くの制作依頼が寄せられており、最近では作品を使用したグッズの販売も始まった。

 今年1月24日に利用が始まった「ちがさき障がい者支援アプリ」。茅ヶ崎市内の福祉サービス事業所の情報や空き状況が検索できるほか、市のオンライン相談を予約できるこのアプリの、トップを飾っているのがFukaさんの「サザンCへ行こう」だ。

 サザンCモニュメントを中心に、海水浴やサーフィンを楽しむ人、海の生き物を色鮮やかに描いたこの作品。市はアプリのリリースに当たって「障害当事者の作品を使いたい」と茅ケ崎支援学校に作品の応募を呼びかけた。担当者は「茅ヶ崎らしさがよく表現されており一目で『これだ』と感じた」と話す。

受賞重ね制作依頼も

 3歳頃に「軽度の知的障害を伴う自閉症」と診断されたFukaさん。ただ絵に関しては早くから才能を発揮したという。家族は「障害もあってできないことも多かったが、絵に関しては褒められることが多く、励みになっていたようだ」と振り返る。

 小学校に上がる頃には本格的に作品を作るようになり、市主催の人権ポスターコンテストで茅ヶ崎市長賞、茅ヶ崎・寒川地区の高校生によるアート展芸術魂2023で茅ヶ崎市美術館館長賞など、受賞を重ねてきた。

 最近では評判を聞いて、施設や企業から制作のオファーが寄せられるようになった。その際は必ず現場に足を運ぶというFukaさん。放課後デイサービス「キッズおりーぶの木 茅ヶ崎」(赤羽根)から依頼を受けた作品では、施設で「ヘルマンハープ」を使っているのを見て、ハープにあわせて利用者が歌う様子を描いた。

「世界に届く絵本を」

 制作に使用しているのはコピックというマーカー。全358色あり、Fukaさんがイメージする世界を表現するのに、ぴったりだという。

 作品を使用したグッズの販売も始まった。取り扱う店の一つ福祉用具専門店「明」(出口町)では、半年ほど前からレジ横でFukaさんの作品を販売。尾崎明子さんは「イベントで作品を見て一目ぼれした」と笑顔を見せる。また「プカナラ イコール マーケット」(東海岸北)の内山ゆかりさんは、自身も知的障害のある息子がいることなどから、福祉作業所で制作された製品を販売している。「支援アプリを入れた際にすごく素敵な作品だと思った。ぜひ多くの人に彼女のことを知ってほしい」と話す。

 そんなFukaさんの目標は「絵本を作って、世界中の人に見てもらうこと」。大きな夢を胸に、これからも描き続ける。作品情報はインスタグラム「872yuka」でも発信中。

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