映画『ある男』を監督し日本アカデミー賞8冠、茅ヶ崎映画祭にも出演した 石川 慶さん 茅ヶ崎市在住 46歳
映画通じ「他者の生」追求
○…平野啓一郎のヒューマンミステリー小説を原作とした映画『ある男』で監督を務め、今年の日本アカデミー賞で最多8冠に輝いた。作品は10月に行われた茅ヶ崎映画祭でも上映。舞台あいさつでアカデミー賞授賞式での様子を尋ねられると「ふわふわしていた。実感がわかなかった」と笑った。
○…愛知県豊橋市生まれ。幼少期に『グーニーズ』や『インディ・ジョーンズ』をワクワクしながら鑑賞したことが映画の原体験となる。東北大学を卒業後、ポーランドの映画学校に5年間留学。帰国後は短編映画などでメガホンを執って頭角を現し、4作目で『ある男』と出合う。企画がスタートすると、配給会社の松竹に勧められ、茅ヶ崎館に泊まり込んでプロット(構想)を書いたことも。原作とは違う結末に向かって制作が進み、「精鋭の出演者、撮影陣に導かれ、最高の結果にたどり着いた」と振り返る。
○…茅ヶ崎館での作業の際、気分転換にえぼし岩を見ようと散歩に繰り出し、その風景に魅せられた。3年前に茅ヶ崎に移住。今でも妻と2人で海岸線を歩き、リラックスする。駅周辺ではふらっと立ち寄った店で飲むこともしばしば。「みんなオープンに話しかけてくれる。茅ヶ崎は元気をくれるまち」
○…すでに次回作に取り掛かっており、3年後の完成に向けて準備を進めている。今後は「時代劇や、戦後80年を控え、戦争をテーマにした作品などさまざまなジャンルに挑戦していきたい」という。その上で、自身のポリシーでもある、「映画を通じて他者の人生を追いかけていく」ことに全力を傾ける。「人が好き。その人がどんな人なのか、それを見つめながら撮っていきたい」と目を輝かせた。
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