茅ヶ崎・寒川 経済
公開日:2024.06.07
事業でまちに恩返し
茅ヶ崎石材工業株式会社富田桂司さん(53)
茅ヶ崎石材工業は創業1901年と市内でも有数の歴史がある企業だが、成り立ちはさらに元禄までさかのぼる。江戸時代には平塚の須賀に荷船を持ち物流を担って時代を築いた名家だった。
大学を出てからはIT企業で働いていたが、曾祖父から続く同社に戻ったのは30代半ばのことだった。「石工は若いうちから修行する人が多いため、当時は苦労もした」。勉強のため組合に入り資格を取得。今では「全国優良石材店の会」の神奈川支部長も務め、東日本大震災の被災地に500基の石碑を寄贈する「津波記憶石プロジェクト」に携わるほか、ODAでカンボジアの世界遺産アンコールワットの修復も行うなど、世界で活躍する。
社内では、石材加工のオートメーション化を進めるほか、売上が減少傾向にある石材事業に危機感を抱き、土木施工管理技士の資格を取得。特定建設業許可を得て公共事業への参入が可能になり、マンションやアパートでの従来の石工工事に加えて、土木や外構工事も行っている。賃貸業にも事業を拡大し、年率20%の売上アップにつなげた。
「公共事業は、まちのために仕事ができることが魅力」とにこり。商工会議所青年部や茅ケ崎ロータリークラブでの地域活動にも力を入れており、「育ててもらった恩返しではないけれど、地元のために業務に邁進していきたい」
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