学芸員のイチ推し! -連載 Vol.22-
1個の繭(まゆ)から巻き取る生糸は約1500m!
写真の資料は、養蚕(ようさん)に用いられたもので、繭(まゆ)から生糸(きいと)を引き出し、糸枠に糸を巻き取る道具です。この作業を糸繰(いとくり)といい、座って使うため、「ザグリ」と呼ばれました。横についた取手を回すことで、連動する木の歯車が糸枠を回し、この回転で枠に糸を巻き取っていきます。左手で取手を回し、右手で糸を扱いますが、この時、複数の糸に撚りをかけていきます。均等の太さにするには、熟練(じゅくれん)の技が必要です。また、1個の繭からとれる糸は、長いもので1500mになりました。
博物館の基本展示には17のテーマがあり、定期的に展示が入れ替わります。7月13日(土)から、5つのテーマが新しく展示されていますが、そのうち、「繭と糸で産業を」では養蚕業と製糸業の一連の流れを、カイコの標本とザグリを含む昔の道具で知ることができます。
また、博物館では10月14日(月・祝)まで、夏の特別展「海と音楽の近代史〜「湘南サウンド」前夜〜」を開催しております。茅ヶ崎に海水浴場が開設された当時の海水浴着や、日本最古といわれているサーフボードなど、湘南サウンドが登場する前の茅ヶ崎の海の文化を紹介しています。展示替えを行った基本展示と合わせてお楽しみください。
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