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茅ヶ崎・寒川 社会

公開日:2024.11.29

元日本証券業協会会長 秋の叙勲
稲野さんに旭日章重光章

 2024年秋の褒章・叙勲が内閣府から11月4日に発表され、茅ヶ崎市と寒川町内からは12人が受章した。その中でも、国家または公共に対する顕著な功績に対して贈られる『旭日章重光章』を稲野和利さん(茅ヶ崎市東海岸南在住・71)が受章した。

 稲野さんは、野村アセットマネジメント(株)社長や日本証券業協会会長、投資信託協会会長などを歴任するなど、証券業での功労が評された。

 11月6日には宮中で「重光章勲章伝達式」が行われ、内閣総理大臣から勲章と勲記を受け取り、天皇陛下に拝謁した。「一人で何かしてきたわけではなく、常に組織として取り組んできた。すべて巡り合わせで、一緒に働いてきた人たちに支えられてきた。心から感謝したい」と話す。

投資への意識着実に前進

 特に思い出深いのは、2014年のNISA(少額投資非課税制度)導入に携わったこと。当時は日本証券業協会の会長に就いており、名称選定からその後の普及促進にも関わった。

 スタートから10年が経ち、「世の中に根付くには、規制緩和や税制の改正、あるいは証券会社における取引口座を使いやすくするなど、環境の整備が必要。時間はかかったが着実に前進している。特に、時限的租税特別措置を恒久化したことはとても大きい」と評価する。

 今後については、「お金に関する基本的な知識や判断する能力『金融リテラシー』を向上させていくことによって、NISAなど投資の利用可能性もさらに高まっていく。まだまだ良くなっていく余地がある」と展望を語る。

活力ある日本経済を

 2歳のときに引っ越してきた当時の茅ヶ崎は「砂原だらけだった」。中学から卓球に熱中。東京大学法学部時代には、卓球の全国大会の委員長になった。パンフレットに掲載する広告の営業に回った際に、「一番アグレッシブで勢いがあり、対応も早かった」と、1976年に野村證券に入社した。2000年には専務取締役、09年には野村アセットマネジメント(株)の取締役会長、代表執行役に就いた。「仕事を強いるのではなく、道をつけ、自由で率先的に動ける環境づくりに注力してきた」と振り返る。

 現在は、しずおかフィナンシャル・グループの社外取締役やEY新日本有限責任監査法人の社外評議員のほか、(公財)日本証券奨学財団理事なども務める。

 寮生活などを経て、32歳で茅ヶ崎に戻って居を構えた。「今後も離れる気はない」とにこり。ビーチの散歩がお気に入りだ。

 地元への貢献の思いを持ちつつも、「幸いにもまだまだ健康。蓄積された経験に加えインプットを続け、役に立てる範囲で、活力ある日本経済を取り戻し、維持できる支援をしていきたい」。

12人が受章

 秋の叙勲は、旭日章と瑞宝章を合わせて3987人が受章した。茅ヶ崎市と寒川町からの小綬章以下の受章者は、以下の通り(敬称略・年齢は受章時)。

【旭日章】

双光章▽丸山徳二(76・元茅ヶ崎医師会会長/保健衛生功労)

小綬章▽竹中五雄(74・元日本水先人会連合会副会長/水先業務功労)

単光章▽内野晴雄(70・元寒川町商工会会長/中小企業振興功労)

【瑞宝章】

双光章▽小澤幸夫(76・元茅ヶ崎市副市長/地方自治功労)、西川譲(62・元東急電鉄(株)鉄道事業本部運輸部渋谷駅統括駅長/鉄道業務功労)、野内一郎(86・元公立小学校長/教育功労)、長谷川渡(74・現保護司/更生保護功労)、小林真伸(64・元東京瓦斯(株)根岸LNG基地操業部製造センターマネージャー/ガス業務功労)

【危険業務従事者叙勲 瑞宝章】

双光章▽木村光(74・元警視長/警察功労)、松岡幸生(74・元警視庁警部/警察功労)

単光章▽池田茂(71・元茅ヶ崎市消防司令長/消防功労)

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