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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2012.01.19

懐かしくも新しい 駄菓子屋開店
駄菓子屋カフェ「竹屋萬吉商店」

  • 学校が終わり、親と一緒に訪れお菓子選びに夢中になる子どもたちで賑わいを見せる店内

  • 関口さんも時間を見つけて店番に立っている

世代を越えた交流の場に



 「お小遣い持って来たよー!」。首から下げたガマ口財布を手に元気な声を上げ、夢中でお菓子を選ぶ子ども達。お小遣いで収まるように一生懸命計算し、時には買ったお菓子を友達同士で見せ合う。かつては当たり前のように見られた「駄菓子屋での風景」が、そこにはあった。



 昔ながらの駄菓子屋をイメージした「駄菓子カフェ 竹屋萬吉商店(花水台37―7/【電話】0463・35・0766)」が今月3日にオープンした。店を開いたのは老舗割烹料理店「竹万」の三代目・関口雄一さん(33)だ。



 「平塚が好きで、地元のために何か出来ないかという想いは以前からあった」と話す関口さん。その目に映るのは、昔に比べて綺麗に舗装された街並みとは裏腹に、シャッターが増え元気をなくしていく商店街だった。



 地域の人たちが気軽に交流できる場を作りたい。そこで、今では徐々に姿を消しつつある駄菓子屋に目を付けた。「自分と同世代には懐かしく、今の子たちには新鮮。世代を選ばず楽しめると思った」と関口さん。



 店舗は、予約で使うだけの竹万別館を有効活用。本業の合間を縫いながら、友人に協力を仰ぎガレージを半年がかりで改装した。商品は自分が子どもの頃に親しんだ駄菓子を中心に、子どもが買いやすいよう10円からのお菓子をばら売りに。常時80〜100種を並べている。



 また、同別館のプライベートダイニングを使い、市内河内の自家焙煎珈琲豆専門店「いつか珈琲屋」に手伝ってもらい、隣に独立したカフェを併設。現在はコーヒーのほか買った駄菓子を持ち込める趣向だが、今後は軽食や甘味類の提供も検討している。



 営業は学校が終わる頃を見計らい、昼頃から夕方まで。開店から半月ほどだが、一度家に帰り親や友達、祖父母と遊びに来る子どもたちで店内は賑わいを見せている。近隣の児童が多いが、存在を知って他の学区から来る子どももいるという。



 本業の合間に時間を見つけては自らも店頭に立っている関口さん。「経営面など課題は多いけど、ニーズはあると実感する」。買い物にくる子どもたちの姿を昔の自分と重ね合わせ、目を細める。



 今後は様々な催し物の企画も考えている。「人が集まれる場にしたい。ベーゴマ名人のおじいさんを探して、大会を開くのも面白いよね」。世代を超え、”子どもの社交場”が新たな形で地域に根付こうとしている。

 

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