企業と連携、雇用機会生む
平塚の高齢者が元気よく輝ける場所をつくりたい――。定年退職した人の雇用を創出し、社会参加によるやりがいと生きがいづくりに取り組む(株)イニシャルステップ(市内代官町10―10/【電話】0463・72・7966)を取材した。
イニシャルステップは高齢者にも出来る簡単な内職作業の提供を、事業として行っている。代官町のマンションの一室に作業場を置き、登録者は好きなとき、好きな時間に気軽に働くことができる。
同社を立ち上げたのは代表を務める小林良さんと、内山善晴さん、里見晴恵さん。高齢者向け内職提供事業は里見さんの提案で、同じ食品デリバリーの会社で働いていた3人は利用する高齢者と接するうちに、「自分たちに何か出来ることはないか」という思いが強くなったという。
現在、同社が請け負っている内職作業はエンブロイ(株)(市内平塚)の製品「空間除菌ブロッカー」の製造工程の一部。エンブロイは東日本大震災の被災地復興支援のため、工程の一部を東日本各県に委託していることもあり、「地元高齢者の雇用創出」という目的に共感し業務委託契約を結んだ。
人材確保には、公益財団法人平塚市生きがい事業団から協力を得た。「生きがい事業団に登録している人は、やりがいや生きがい、社会貢献に対する意識が高い」と内山さんは話す。現在、同事業団の紹介で登録に至った女性が1人働いており、「ノルマなどの負担がなく、気軽に出来るのがいい。生活のサイクルが出来て、張りが出た」とやりがいを感じているようだ。
当面の課題は新たな契約企業の開拓と、生きがい事業団以外からの内職者の獲得だ。「もっと内職の数を増やしたいし、受け入れの間口も広げたい。そのためには認知度を高めないと」と、「ジョブマッチング」の機会を幅広く提供したいという内山さん。企業に理解してもらい、いかに協力を取り付けていくかが今後の鍵になる。
同様の取り組みは他でも見られるが、収益の問題などで立ち消えてしまうケースが多いという。小林さんは「今は別事業の収益で賄っているが、いずれは独立採算にして拠点を増やしたい。平塚発の一つのモデルケースに出来れば」と、展望を語った。
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