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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2013.06.27

湘南ひらつかライフセービングクラブのパトロールリーダーを務める
野澤 亮さん
東海大学3年 21歳

ビーチの事故ゼロ願う



 ○…湘南ひらつかビーチパークの海開きと同時に、2カ月間のライフセービング活動が始まる。海難事故への備えはもちろん、日光浴やビーチスポーツ時の熱中症防止にも目を光らせる。「大切なのは、救助することよりも救助者を出さないこと」がモットー。学生主体の組織ながら、利用客の安全を守る重責に気を引き締める。



 ○…小中学生を対象にしたライフセービング体験や心肺蘇生法の講習に出向くなど、活動は幅広い。「平塚に住んでいても、ビーチパークに行ったことがないという子どもは多い。もっと地元の人たちに足を運んでもらい、平塚の海を満喫してほしい」と笑顔で呼びかける。朝の海岸清掃は大切な日課。クラブの活動や海の様子をフェイスブックで紹介する試みも始め、身近なビーチづくりを実践している。



 〇…高校1年のときに父親を亡くし「何をするにも身が入らなかった」と失意の3年間を過ごした。卒業後は就職も考えたが、人命を預かるライフセービングの存在を知り、東海大学に進学してクラブに参加。過酷なトレーニングで知られるだけあり「1年目は本当に辛かった」というが、それでも続けられたのは「海に遊びに来た人に、大切な人を失う悲しい思いをさせたくなかったから」。活動にのめり込むうちに人命救助への憧れは強くなり、消防士になるという夢も描き始めた。



 ○…「事故ゼロ」という目標だけでなく、今年は創立20周年を迎えたクラブの節目として、10月の全日本ライフセービング選手権入賞を目指している。海開きを迎えればほぼ休みなくビーチに向かい、監視活動の前後にみっちりとトレーニングをこなす。プライベートな時間は限られるが、充実のシーズンに臨むビーチの番人は「海で楽しく過ごしてもらうことが一番のやりがいだから」とおくびにも出さない。

 

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