釣り人の間で話題となり、マスコミでも取り上げられている相模湾のマグロ釣り。市内の船宿の「庄三郎丸」(後藤勇社長)でもマグロ漁船の釣り客は連日満員。1日平均2本程20〜30kg級のキハダマグロが釣り上げられているという。近年相模湾では定置網でも漁獲量が増え続けている。
定置網漁でも5年前の10倍
7月28日、庄三郎丸のルアーマグロ船に乗り、キハダを見事に釣り上げたのは2人。約27kgを釣った静岡県の相佐重彰さんは「疲れたけれど、気分は最高。こんなに大きいものは初めてだったけれど、周りの方たちのサポートでなんとか釣り上げることができました」と、満足そうに汗をぬぐった。
同船でキハダなど大型のマグロが釣れ始めたのは5年ほど前から。後藤社長は「来客数が年々増えています。都心から近いこともあり、腕試しのいい場所なのでは」と話す。同船で昨年獲れた同じクラスのマグロは約100本。今年は6月末からの1カ月間ですでに約50本が上がっているという。
キハダは熱帯から温帯海域に分布し、比較的温かい海域を好むと言われる。相模湾では黒潮の流れ任せで漁獲量が一定ではなかったが、ここ数年は定置網での漁獲量が増加。昨年は5年前の約10倍となった。
理由について神奈川県水産技術センターでは「はっきりとはわからないが、2009年に県が湾内に設置した浮漁礁が原因ではないか」と指摘する。
マグロやカツオなど回遊性魚類は、流木など浮遊している構造物に集まる習性を持つ。県では2008年の原油高騰を受け、漁業者が近場でマグロやカツオを獲れるように翌年から新式漁礁を相模湾に4基設置。キハダやクロマグロが湾内で滞留し、周辺に漁業者や遊漁船が出漁するようになった。
滞留中は1カ月で約5kg成長するキハダ。庄三郎丸では昨年、最大約70kgのマグロが釣れた。「10回出船して1本当たれば幸運」とされるマグロ釣りだが、活況は当分続きそうだ。
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