美術館でペコちゃん展
7月11日から平塚市美術館で開催される特別展の主役、ペコちゃんでおなじみの株式会社不二家。市美術館から徒歩1分ほどのところに、同社の平塚工場(西八幡)がある。「不二家のチョコは全て”平塚産”なんですよ」と工場長の古田健さんは笑顔で話す。
同社は1910年に横浜市元町で藤井林右衛門が開店した洋菓子店を前身とする食品会社。1956年には初のバレンタインセールを実施したことなどでも知られている。市美術館は「一般家庭に洋菓子文化を流通させた立役者」と説明する。
同社は洋菓子店やレストランの運営に加え、『ハートチョコレート』や『パラソルチョコ』などのチョコレート製品を全国の駄菓子屋などでも販売し始めると、国民的な人気商品として定着。生産強化を目的に1959年、初のチョコレート専門工場となる平塚工場を立ち上げた。製造プラントはイタリアから輸入され、当時「東洋一のチョコレート専門工場」として話題になった。
現在も、看板商品『LOOK』『アンパンマンのペロペロチョコレート』など、同社で扱う全てのチョコレートが平塚工場で生産されている。生産品目は季節限定商品などを除き、およそ40〜50品で、その量は年間1万1千t。企業全体の商品売上で25%を占める。
平塚工場は敷地1万7417平方メートル、建物延面積2万2989平方メートル。カカオ豆の加工、チョコの成型、包装まで全ての工程が同じ工場内で完結する。チョコの品質を保つため各部屋の温度が異なり、加工室は40度以上、包装室は約22度に保たれている。
特に、カカオ豆の加工は専門企業に委託している企業も多く、その技術は「門外不出の絶対企業秘密」と古田工場長。程よい甘さとなめらかな口どけは、これまでの歴史の積み重ねだ。
同社内で現存する最も古い工場で「食品工場としては珍しい、街のど真ん中の立地」のため、人員を集めやすいのが強み。平塚工場で働く工員の殆どが市内在住。ハロウィン、クリスマス、バレンタインにかけての繁忙期には、800人もの人員が導入される。
工場の入り口にはペコちゃんの顔がデザインされた看板があり、地域からは「ペコちゃんのチョコレート工場」として親しまれているという。「工場内にルートが設けられず工場見学のようなことはしていませんが、『ペコちゃん展』が地元美術館で開催されるのも一つの縁。多くの方に企業のことを知っていただければ嬉しいです」
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