飲料水やゴムなど北海道や九州へ
10月14日は、1872年(明治5年)の同日に新橋駅(現在は廃止)と横浜駅(現在の根岸線桜木町駅)を結ぶ日本初の鉄道が開業したことを記念した「鉄道の日」。記念日に合わせ、平塚市と大磯町の市境にある、JR貨物・東海道貨物線「相模貨物駅」(大磯町高麗3の4の17・三与木(みよき)憲隆駅長)を取材した。
鉄道の役割は、人や荷物などの運搬輸送。その内、荷物の運搬輸送に特化したものが貨物線だ。
相模貨物駅は、JRグループの物資輸送を専門とする企業、日本貨物鉄道(JR貨物)の管轄する鉄道駅。貨物の運搬や輸送管理などを行っており、5万2千平方キロメートルの敷地に、JR東日本の旅客鉄道の線路を含む、26の線路が通っている。三与木駅長によると「一般的な貨物駅の大きさの半分ほど」の広さだという。
現在県内にある同社の貨物駅は、横浜羽沢駅、梶ヶ谷貨物ターミナル駅、川崎貨物駅を加えた4駅で、相模貨物駅が県内最西端。次の駅は、静岡県の静岡貨物駅になる。北は北海道から、南は九州まで運ばれ、また到着している。
同駅は、1971年に開業した。当時、JRグループの前身である日本国有鉄道は、人口増加と住宅地の拡大に東海道線の輸送力強化を図っており、線路を増やす計画を立てていた。これまで貨物駅と旅客駅を兼任していた駅の内、県内で乗客数が増えると見込まれた、当時の辻堂駅・茅ヶ崎駅・平塚駅・大磯駅・二宮駅・寒川駅の6駅の役割を統合した駅として、相模貨物駅は設置された。
2002年には小田原市にあった西湘貨物駅が貨物駅としての役割を終え、県西地域全体の物流の玄関口を担うこととなった。近年では、圏央道の開通などに伴い、県央方面の仕事も増えてきているという。
相模貨物駅には、1日平均11台の列車が到着し、160ものコンテナがやりとりされる。貨物列車が運ぶ荷物の量は、1列車でトラック約65台分だ。荷の種類は多種多様だが、特に、ジュースなどの飲料水、工業薬品、断熱材などが多く、また、横浜ゴム(株)の平塚製造所などがあることから、ゴムの運搬も多いという。
所属する職員は24人で、貨車の入れ替えや信号担当などの職員は駅舎に泊まり込み、24時間の交代制で勤務している。
敷地内にあるホームセンターの駐車場は、鉄道ファンの隠れた撮影スポット。公開イベントなどはないが、依頼を受ければ見学も受け入れているという。三与木駅長は「地域の方に支えられている当駅。知る機会の少ない貨物線・貨物駅の役割に興味をもっていただければ」と話した。
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