湘南ベルマーレひらつかビーチパークのライフセーバーで監視長を務める 小川 祐樹さん 東海大学政治経済学部3年 20歳
真夏のビーチで全力投球
○…こんがり日焼けした顔と鍛え上げられた厚い胸板が真夏の陽射しによく似合う。海開きを迎えた平塚の海水浴場で働くライフセーバーは22人で、そのメンバーを束ねる監視長を務める。海水浴客の安全を守る瞳は真剣そのもので、凛々しくもある。「第一に無事故、第二に楽しかったとお客様に思っていただけるよう頑張ります」と、8月末まで続くシーズンを見据えている。
○…東京都立川市に生まれた。幼いころから運動が好きで小学生になると軟式野球を始めた。中学では2年時に都大会優勝。投手を務め打席では四番に座った。甲子園を目指そうと思ったのはこのころで、卒業後は強豪の東海大菅生高校に進んだ。全国から有力選手が集まる部員100人以上の大所帯だったが、2年秋からベンチに入り、最後の夏は八番・中堅手として西東京大会を戦った。
○…神宮球場で行われた日大鶴ヶ丘との決勝戦。「甲子園がとても近くに見えた」という八回に追いつかれ、九回裏に逆転サヨナラ、夢半ばで高校野球が終わった。球場を背に涙に暮れるも、胸の内は「やり切ったという清々しさ」に満たされていた。大学では「野球で培った体力を生かそう」とライフセービング部を選択。年間を通して救助訓練と筋力トレーニングに励んだ。「湘南の海は穏やかで、サザンオールスターズの曲がよく似合う。平塚は自分にとって第二の故郷ですね」とうれしそうだ。
○…海水浴シーズンが終わればライフセーバーの仕事もひと区切り。卒業後は「自分の強みである体力で社会の役に立ちたい」と消防士試験にむけ始動する。一緒に暮らす母は「とにかく元気に生きていてくれればいい」といつも人生の選択に理解を示してくれる。「丈夫な体で産んでくれた母親のためにも、毎日を全力投球していきたいです」。大好きな映画鑑賞はしばらくお預けし、今日も真夏のビーチを駆け回る。
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