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「学問の神」鎮座1650年 市博物館で春期企画展も

社会

掲載号:2018年3月15日号

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四之宮にある前鳥神社の社殿(提供写真)
四之宮にある前鳥神社の社殿(提供写真)

地域の文化と伝統に光後世に残すきっかけに

 鎮座1650年を迎えた前鳥神社(神代春彦宮司)が市博物館と共催で、春期特別展「四之宮前鳥神社―その神輿と地域の信仰―」を3月17日から開催する。堂宮大工の手中明王太郎(てなかみょうおうたろう)が文久元年(1861年)に製作した神社所蔵の大神輿をはじめ、地域住民が寄せた資料など約150点を展示、神社と氏子の深い結びつきを紹介する。

 前鳥神社は「菟道稚郎子命(うぢのわきいらつこのみこと)」を主祭神、活動と福禄の神「大山咋命(おおやまくいのみこと)」と火難除けと安全守護の神「日本武尊(やまとたけるのみこと)」の副祭神を合わせた三柱の神が祀られている。

 主祭神の菟道稚郎子命は第15代の応神天皇の皇太子で幼少期から頭が良く、朝鮮半島の百済(くだら)から論語を伝えた王仁(わに)を師と仰ぎ、『千字文』などの漢文を学んだ。古くから修学・学問の神として崇敬を集め、今なお受験シーズンには受験生や親子が合格祈願に訪れている。

 社殿が建てられた経緯には諸説ある。菟道稚郎子命は応神天皇の崩御を機に、後の仁徳天皇となる兄・大鷦鷯命(おほさざきのみこと)を立てて皇位を譲って、東方に逃れ、四之宮に居を構えたという説があり、没後に遺徳を偲んで社殿が建てられたとされている。

 神社名の「さきとり」は相模川に突き出すように形成した自然堤防に由来。奈良時代は「埼取」、平安時代に朝廷が編纂した法制書『延喜式神名帳』には「前鳥」、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には「四宮大明神前取」と記録が残る。

 春期特別展に向けた準備は一昨年前からスタート。神社所蔵の文化財を並べた歴史の紹介だけでなく、神社と氏子の関係を色濃く示す前鳥囃子や里神楽などの祭や芸能、四之宮地区の稲荷講にも着目し、地域の信仰を展示構成に盛り込んだ。準備に携わった同神社権禰宜の鈴木建人さんによると「四之宮では家で代々稲荷様を祀ったり、数軒が集まって講をつくるケースなど様々ある」と言い、地区内すべての稲荷講を見て回り、特別展への協力を呼びかけた。

 神社総代や関係者に声をかけると、祭礼で代々使われている掛軸や証書など多くが集まった。鈴木さんは、寄せられた資料を「失いたくない地域の伝統」として聞いた話をまとめ、写真に残して記録。地域に還元するとして、「伝統を守ることに目を向けてもらえるきっけになれば」と期待を寄せる。

 市博物館の浜野達也学芸員によると、掛軸は天保年間から明治初期のもので「並べて見ると時代の移り変わりが分かる。興味深い資料」と話していた。

 春期特別展は市博物館で5月6日まで。毎週月曜休館(4月30日除く)。入館無料。

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