移動スーパー「とくし丸」の販売パートナーの 川口 倫史さん 南原在住 46歳
移動スーパーで笑顔届ける
○…高齢者ら買い物弱者を支援したいと今月4日から、販売パートナーとして移動スーパー「とくし丸」を走らせる。「『あれこれ選ぶのが楽しい』という声が力になっています」と、オレンジ色のジャンパーに身を包み、野菜や生鮮食品、日用品などを積み込んだ軽トラックで地域住民のもとに駆けつける。「一人ひとりのかゆいところに手が届くように」とリクエストされた商品のメモを片手に準備する姿は意欲に満ち溢れている。
○…石川県金沢市の出身。高校卒業後に選んだ進路は、祖父と同じ蒔絵師だ。伝統工芸品の輪島塗の職人へ弟子入りし8年間を過ごした。「デッサンを特別勉強したわけでもないので、和花や鳥を描く技術に苦労しました。芸術であり商品。答えがないものなので」と懐かしむ。
○…移動販売に目を向けるきっかけになったのが東日本大震災だ。発生直後のGWに岩手県宮古市にボランティアで訪れて以来、長期休暇や有休を使い度々足を運んだ。山の上の仮設住宅は買い物の便も悪く、必要なものはないか聞いて回った。「私が助ける立場なのに、喜んでもらえる姿に元気をもらった。蒔絵師時代は、直接お客さんと会うことがなかったので、笑顔が見える仕事がしたいと思った」。一念発起で昨年春に筆記具メーカーを退社し、全国展開していた「とくし丸」に平塚で事業がしたいと申し出た。地元スーパー「しまむら」と同社の提携が決まると、第1号の販売員として名乗りをあげた。
○…とくし丸を走らせて約2週間。「来るのが待ち遠しい」というラブコールを受ける日々は目まぐるしく、趣味の登山は少しの間お預けだ。「もっともっと地域に溶け込みたい」と、「ありがとう」の声を燃料に、笑顔を届けに出発する。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>