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公開日:2019.03.21
可憐に生きた13歳24日
有志が小児難病のチャリティ大会
サッカーを愛し湘南ベルマーレの大ファンだった杉山華連さん(享年13)が闘病の末に天国へ旅立ってから間もなく1年。同じように病と向き合う子供たちを支援しようと16日、華連さんが通った松延小で「第1回カレンカップ」が開かれた。
大会は、難病と闘う子供たちを支援しようと寄付を募るチャリティ大会として開催。父・太一さん(41)や有志により企画され、市内外6チームが参加、多くの関係者が来場し、一日で25万円を超える善意が寄せられた。
華連さんがベルマーレと出会ったのは、小学2年生。太一さんに連れられたスタジアムで一流のプレーに熱狂、豊富な運動量で攻め続ける「湘南スタイル」に魅せられた。
笑顔が愛らしく、気立てのよい子だった。所属した松延少年SCでは、男子に混じってボールを追いかけた。素直すぎる優しさは時に消極的なプレーにもつながったが、対戦相手を敬う姿勢は両親の誇りでもあった。
病魔が襲ったのは2017年10月。この年齢では日本に症例のない進行性の卵巣がんだった。夫婦そろって涙に暮れた、つらすぎる毎日。自営業を営む太一さんは仕事中も涙が止まらなかった。
華連さんの余命2年を宣告されていた太一さんは湘南ベルマーレに事情を説明、秋元陽太選手や島村毅元選手が見舞いに駆けつけると、愛娘に笑顔が戻った。そんな応援の輪は多くの選手に広がった。ヴィッセル神戸に所属していた近藤岳登元選手やジュビロ磐田の大久保嘉人選手、さらに、昨年のロシアW杯前には本田圭佑選手らA代表メンバーからも激励の動画が届いた。
昨年5月には日本代表の吉田麻也選手(英・サウサンプトン)が華連さんのもとを訪れ「W杯で得点したら(華連さんのイニシャル)Kの文字を指で作ってアピールするよ」と約束してくれた。しかし、W杯一次予選の日本―コロンビア戦前日となった同6月18日、吉田選手の雄姿を見届けることなく、13歳と24日の人生は幕を閉じた。
華連さんの死後、近藤・大久保両選手らが中心となり、小児がんと闘う子供たちを支援する「カレンプロジェクト」(仮称)が立ち上がり、協力者も増えてきている。「多くの選手や関係者の方たち、仲間たちが華連を支えてくれたように、私も必死に闘っている子供たちを全力で支援していきたい」。太一さんは、第2回カレンカップを年内にも開くつもりだ。
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