元イスラエル大使館員で市内在住の木下道子さん(88)が8日、第二次大戦中、ナチスの迫害にあえぐユダヤ人に「命のビザ」を発給し6千人を救った在リトアニアの外交官・杉原千畝の子孫と対面した。木下さんは戦後、千畝が発行したビザによって救われたユダヤ人と千畝を引き合わせるなど交流があり、双方の希望で実現した。
東京五輪で、平塚がリトアニアのホストタウンであることにちなみ、3月には市中央公民館で千畝の生涯を描くオペラ『人道の桜』の上演が決まっている。木下さんは「平塚で千畝さんの舞台があるとは。出演せずにはいられなかった」と本人役を演じる予定だ。
木下さんは1931年東京生まれ。終戦後、20代でイスラエル大使館に勤務した。68年、同国から赴任し、千畝のビザによって命を救われたユダヤ人参事官と出会い「スギハラを探してほしい」と依頼された。千畝の暮らす藤沢の住所を特定し、二人を引き合わせることができた木下さんは、その後も大使館などでたびたび千畝と交流した。平塚には20年ほど前に移り住んだという。
千畝の生前の姿を「体格もよく、堂々としていてハンサムな方」と表現する木下さん。千畝の孫・ひ孫にあたる杉原まどかさん(53)・織葉さん(24)は、オペラリハーサル中の中央公民館を訪れた。織葉さんは会うことが叶わなかった曽祖父を思い「生前のお話が聞けてうれしかった」と静かに語った。
木下さんは「千畝さんが求めた『平和』を舞台から伝えたいですね」と囁くように話した。
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